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川崎重工とユーハイム、神戸市が誘致した米マイクロソフトのAIラボを活用しDXを加速
神戸市のスタートアップ支援施策が元に
神戸ラボで所長を務める日本マイクロソフトの平井 健裕 氏は、「これまでに神戸ラボを利用いただいた各社の開発内容を見ると、日本のAI活用レベルは世界的に見ても決して低くない」と話す。
平井氏によれば、開設からの約半年間に、神戸ラボには90社から400人以上が訪れ、55件の使用を申し込んだ。複数回、申し込んだ企業もある。申し込みから開発までは4〜6週間を1単位にし、そのうちの1週間程度はラボで実際に作業する。同時に2社までが利用できるが、「利用企業がなるべく顔を合わせない導線になっている」(平井氏)という。
神戸ラボを誘致した神戸市の新産業創造課長である武田 卓 氏は、「マイクロソフトには、神戸市がスタートアップ支援策を海外に向けて展開してきたことを評価いただいたと認識している。神戸ラボ開設をきっかけに、スタートアップを含め、さまざまな地元企業に働きかけ、AI技術を使った製品/サービス創出の可能性を探りたい。神戸から世界に出て行くスタートアップが増えることを期待している」と話す。
神戸市がスタートアップ支援を開始したのは2016年から。そのためにスタートアップと同じ目線で伴走できる外部人材を登用してもいる。3年を任期に、さまざまなバックグラウンドを持つ「イノベーション専門官」だ。2024年3月時点では7人ほどを採用している。神戸ラボの誘致においても、現在はシリコンバレーに赴任しているイノベーション専門官が「マイクロソフト本社にアクセスしたことがきっかけだった」(武田氏)という。
神戸ラボの平井氏は、「問い合わせ件数は今も増えており、2024年に入ってからは、ほぼ毎週利用されている。今後は短期間でプロトタイプを開発する新しいエンゲージメントモデルの提供も計画している。最新技術情報の発信や開発者コミュニティの拠点としても神戸ラボを活用いただきたい」とした。
神戸ラボが今後、日本、そしてアジアのイノベーションをどれだけ加速するのか。今後の動きに注目したい。