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日本のDX戦略は“張りぼて化”し成熟度はグローバル平均を下回る、モンスターラボが調査
推進力不足、アジャイルアレルギー、レガシーシステムの3つが構造的な課題に
「日本企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略は“張りぼて化”しており、DXの成熟度もグローバル平均を下回る」--。こんな調査結果をDXに関するコンサルティングをグローバルに展開するモンスターラボが2024年4月10日に発表した。同社が独自に設計した「DXケイパビリティ・インデックス」を世界8カ国を対象に調査した結果、日本は最下位だった。
「日本企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略は本社が机上で作成しており、事業部側では“張りぼて化“し、なかなか浸透していないのが実状だろう」――。モンスターラボホールディングス CEO室長(戦略・M&A)の山口 拓也 氏は、こう指摘する(写真1)。モンスターラボホールディングスは、DX関連コンサルティングをグローバル展開するモンスターラボの親会社である。
山口氏の指摘の根拠になっているのは、同社がDXの成熟度を測るために独自に設計した指標「DXケイパビリティ・インデックス」についての世界8カ国での調査結果だ。同インデックスは、顧客接点、製品、戦略、組織と文化、オペレーション、テクノロジーの5つのカテゴリーに対し、それぞれ5つの評価項目を設けて実態を集計し、DXの成熟度を0〜10段階で評価する。
企業ごとのDXケイパビリティを地域別に集計し平均を取った結果、日本は5.43で最下位になり、全体平均を唯一下回った(図1)。トップは中東(アラブ首長国連邦とサウジアラビア)の7.7、次いで米国が7.48である。
5つのカテゴリー別にみても、日本の結果は欧米・中東の平均を下回る。特に、「顧客接点の強化や製品/サービスの提供に関わる作業の整備において未成熟と見られる結果になっている」(山口氏)という(図2)。
山口氏は、「DXケイパビリティは事業成長に直結する」とも強調する。今回の調査では、DXケイパビリティが8.0以上の企業(上位20%に相当)では売上成長率が10%を超える割合が56%なのに対し、DXケイパビリティが4.0以下の企業(下位18%)では10%に留まっている。