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DX推進を阻む人材確保と育成の壁、IPAの『DX動向2024』が指摘
データ活用やレガシーシステム刷新も人材不足が課題に
DXを進めるうえではデータの活用が欠かせない。実際、調査でも、データやAI(人工知能)技術、生成AIの利用・導入状況、システム開発の内製化、レガシーシステムの刷新において、データ活用が進んでいる企業ほどDXの成果が出ている。「新製品・新サービスの創出」や「既存製品・サービスの高度化、付加価値向上」などに着手している割合も高いという。
データ活用の目的としては、「DXの成果が出ている企業」は「成果が出ていない企業」に比べ、「新製品・新サービスの創出」と「既存製品・サービスの高度化、付加価値向上」「集客効果の向上」を挙げる率が高い(図5)。
ただデータ活用においても、その課題として6割弱が「人材の確保が難しい」を挙げる。それに「データ管理システムが整備されていない」(42.6%)、「データ利活用の方針、文化がない」(40%)が続く(図6)。
システム開発の内製化も成果に影響する。調査では「ソーシング手段」として聞いているが、競争領域であるコア事業の内製化率が高まっている。「アジリティを重視するシステム」は23%、「低コストであることを重視して導入するシステム」は23.5%と、それぞれ前回調査より10ポイント増えた(図7)。ただし外部委託も増えており、システムごとに内製化と外部委託を分けているとみられる。
内製化における課題も、9割弱が「人材の確保と育成」とする(図8)。それに「新しい技術への対応」「開発量の増減への対応」が続く。
レガシーシステム刷新の課題も同じく人材だ。河野氏は、「レガシーシステムが残っているのかどうかも分からないなど、人材不足からシステムの棚卸もできていない状況にある」と指摘する。ブラックボックス化と技術者の高齢化が「レガシーを刷新するリーダーがない」や「レガシーを分かる人材がいない」などと嘆くユーザー企業を増やしている。