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EV充電や災害救助用ドローンなどモビリティ分野の独スタートアップ8社が登壇
「MOBILITY STARTUP CONNECT IN YOKOHAMA」より
会場投票で3社を選出、モビリティ以外への応用も
ピッチイベントでは会場からの投票が行われ上位3社が選ばれた。Brighter AI、LowAlt Technologies、Enerithmである。3社には、The Drivery Japanが提供するオフィスに3カ月入居できる権利が贈られた。
Brighter AI:画像での匿名化技術
Brighter AIは、自動運転などに使用するカメラで撮影した画像に対する匿名化技術を開発している(写真3)。映っている個人やナンバープレートなどプライバシーに関する部分を、マスクやモザイクではなく、ディープラーニングによって匿名化することでAI(人工知能)の学習など2次利用可能な状態にするのが特徴だ。GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)にも準拠し、既に世界で多くの企業が採用しているという。
匿名化の処理方法は段階を設定できるほか、画像編集用のAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)も提供する。居眠り防止用にドライバーの顔を撮影したり、子どもを降ろすのを忘れないよう車内を管理したりと、プライパシーと安全の両方を守れるとする。
LowAlt Technologies:災害救助用群衆ドローン
LowAlt Technologiesは、災害救助における初動時の現場確認などに使用できる群衆ドローンを開発している(写真4)。母艦となる大型ドローンに、現地で飛ばす小型ドローン数台を載せて運び、短時間で広範囲を探索するのが特徴だ。母艦は通信拠点にもなり、小型ドローンで撮影した動画をその場で収集できる。
Enerithm:エネルギーマネジメント
Enerithmは、AI技術を使ったエネルギーマネジメントの仕組みを開発する(写真5)。元々、建築向けに開発しコンサルティングサービスとして提供してきた。今後は、自宅でEV(電気自動車)を充電するなどの新たなエネルギー需要への対応を進めていく。
建築向けのサービスでは、専用アプリケーションで撮影した画像から部屋の形状を自動検出し、ドイツの1万5000件以上の建物データベースを元に、消費するエネルギーをリアルタイムに計算する。
これら3社のほか、選外だったもののLADEへの関心が高かった。同社は、ホテルや企業を対象に中・大規模の充電パークを運用し、AI技術を使ったエネルギーマネジメントシステムと連携させたEV充電ソリューションを提供する。既存の充電設備と比べ投資コストを最大35%削減し、グリーンエネルギーの活用を最大限に増やす。ドイツでは太陽光発電エネルギーを使用したEV充電スポットの運営や、ゴルフ場の駐車場への設置などに使用されている。
いずれのスタートアップも、短いピッチの中で技術力の高さを感じさせるところが多かった。TECH HUB YOKOHAMAの今後の活動にも大きな刺激になったことだろう。