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生産ラインでの品質異常を検知・改善するためのAI機能、米ロックウェルが提供
生産ライン上で製品の品質を検査するためのAI(人工知能)機能を、産業向けソフトウェアベンダーの米ロックウェル・オートメーションの日本法人が2025年1月15日に発表した。ラインで得られるデータから品質に関わる課題を発見し、改善できるように制御する。工場の自律化に向けた同社ロードマップにおけるセンシング領域製品の第3弾になる。
米ロックウェル・オートメーションの「FactoryTalk Analytics VisionAI(VisionAI)」は、生産ラインにおける自動検査のためのAI(人工知能)機能(図1)。目視では難しい生産ライン上の異常を検知し、製品品質につながる課題を捉え、良品率を高めるように制御する。
VisionAIは、生産ラインを構成する産業機器に設置したカメラやセンサーで得たデータから機械学習により異常を自動で検知・分類する。ダッシュボードやレポートを使った品質の可視化や生産能力の評価により、生産ライン全体の能力を継続して高める。検査フローはノーコードで設計でき、品質管理のための品質劣化の原因分析のためのテンプレートも用意する。
接続対象として、同社の産業用PCの「ASEM IPC」やPLC(プログラマブルロジックコントローラー)の「Logix PLC」などを統合できる。汎用的なハードウェアや既存の製造設備も活用できるという。
検知結果は同社の製造業向けデータ分析基盤「FactoryTalk Analytics」に集めることで、工場外からの遠隔監視や複数ラインの集中管理を可能にする。クラウド環境は、データのセキュリティ基準「SOC 2」に準拠している。
VisionAIは、産業用マシンビジョンを手掛ける米Elementaryとの提携で開発した。Elementaryは、製造業で最大規模の画像データベースを有しているといい、同データを機械学習に活用することで異常を検知している。機械学習モデルのトレーニングには専門知識は不要という。
ロックウェルは、生産ラインの自律化に向けたAIロードマップを描いている。センシング領域ではソフトウェアセンシング用の「FactoryTalk Analytics LogixAI」を2020年に、状態分析用の「FactoryTalk Analytics GuardianAI」を2024年に、それぞれ発売している。VisionAIは同領域の第3弾の製品になる。