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【CES2026:ロボティクス編】発展著しいヒューマノイド(人型)ロボットが多数登場
産業用ロボットの実装が進む中、家庭用ロボットはスマートホームと連携へ
産業用ロボットを開発・運用するための技術の発表も続く
Atlasが使い勝手を強調するように、産業用ロボットは本体の機能や汎用性の高さに加え、運用のしやすさも重要になる。米Qualcommは、ベトナムのロボットスタートアップVinMotionとともに、さまざまな現場で使えるヒューマノイドロボット「VinMotion 2」を公開した。狭い場所でも人にぶつからずに歩いたり、モノの色やカタチを見分けて掴みあげたりするデモを披露していた(写真3)。
VinMotion 2は、自律型ロボットの演算処理を実行するロボット用プロセサの最新製品「Qualcomm Dragonwing IQ10」シリーズを搭載し、エッジAI技術によるヒューマノイドロボットの開発を可能にする。
一方で独Siemensは、製造現場に導入するロボットや設備全体の効率を高める「インダストリアルAI」を発表した。代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)のローランド・ブッシュ氏は「設計やエンジニアリング、生産から運用、サプライチェーンに至るまでの産業用AIオペレーティングシステムを再構築する」とした(写真4)。長年連携している米NVIDIAとの関係をさらに強めていくという。
具体的な製品としては、産業用メタバースを大規模に推進するソフトウェア「Digital Twin Composer」を2026年半ばからオンライン市場の「Siemens Xcelerator Marketplace」で提供する。時間軸や環境の変化を可視化する仮想3D(3次元)モデルを作成し、既存施設のアップグレードを建物や設備、それらの運用までがシミュレーションできるとしている。
産業用ロボットはバリエーションが増えており、そこに今後はヒューマノイドロボットが加わっていく。ロボティクスにより工場の設計や運営は、ますます複雑になるだけに、メタバースやデジタルツインの活用は不可欠になりそうだ。
家電メーカーは家庭用ロボットに注力
家庭用ロボットは以前からCESには登場していたが、用途が限定されていた。だが、衝突を避ける高度なセンシング機能やコントローラーを必要としない音声入力といった膨大なデータの処理能力の向上と合わせて、フィジカルAIによって家事に求められる細かな動きが実現できるようになり、いよいよ実用化が進みそうだ。
韓国LG Electronics(以下、LG)は同社が目指す「Zero Labor Home(家での労働をゼロにする)」を実現する家庭用ロボット「LG CLOiD」を発表した(写真5)。AI技術とカメラビジョンにより調理や洗濯などの家事を学習し、LGのスマートホーム基盤「ThinQ」につながって家庭生活全般の自動化を図る。会場デモでは、手渡されたタオルを洗濯機に入れたり、乾燥機から取り出した服を畳んだりを披露。ビデオでは朝食を作る動作も紹介されていた。
同様の動きをする家庭用ロボットは他にも登場している。中国・深圳のロボットメーカーSwitchBotが開発する「onero H1」は、カメラなどで得た映像から動作を学習するAIモデルVLA(Vision-Language-Action)として独自開発した「Omni Sense VLA」を搭載し動作する。デモ動画では、窓を掃除したりゴミを捨てたり、洗濯物を畳んでしまうといった動作を紹介していた。
家電メーカーでは中国Hisenseがヒューマノイド型のサービスロボット「Harley」を公開した(写真6)。具体的な機能は非公開だったが、ブースでは別タイプのヒューマノイドロボットを展示し、市場への参入準備を進めているという印象だった。
こうした動きがある中で、家庭用ロボットを早くから発表していた韓国Samsungは今回、CECにはブースを出さず、隣接するホテルで発表会とプライベート展示だけを実施した。ロボットが得意だとされている日本のメーカーからのロボット関連の発表が見当たらなかったのは少し残念なところだ。
家庭用ロボットは機能が抑えられるとしても、産業用ロボットの価格は高級自動車ぐらいになると言われている。それでも家事がラクになるなら導入したいというニーズはあるだろうし、リースやサブスク型でレンタルができたり、ロボット付きのスマートホームが発表されたりするかもしれない。
トレンドの変化が激しいCESだけに、2027年にロボットがどの程度展示されるのかが今から気になるところである。



