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【CES2026:ロボティクス編】発展著しいヒューマノイド(人型)ロボットが多数登場

産業用ロボットの実装が進む中、家庭用ロボットはスマートホームと連携へ

野々下 裕子(NOISIA:テックジャーナリスト)
2026年2月27日

最先端テクノロジーが集結する国際イベント「CES」で2026年に最も話題になったのがヒューマノイド(人型)ロボットである。会場のあちこちに登場し、荷物を運んだり、洗濯物を畳んだり、ヒトの動きを模倣した器用な動きを見せた。人にとって退屈なルーティンワークや危険な作業の肩代わりを目指す。

 ロボティクス市場は、米テスラが汎用の二足歩行自律ヒューマノイドロボット「Teslaオプティマス」の製造に着手したことで急速に盛り上がってきた。2026年のCESでは、米NVIDIAがロボットの性能を高めるフィジカルAI(人工知能)モデルとともに、多くの企業が開発を進めていることを発表した。AI市場とともにフィジカルAIとしての成長が期待されている。

 2026年は、ロボティクス技術が集まるLVCC(ラスベガスコンベンションセンター)のノースホールのほか、あちこちで、さまざまなタイプのロボットが展示された。多くは中国製で、踊ったり、楽器を弾いたり、家事を手伝ったりするデモが披露されていた。ただ、ほとんどは単純な動きを繰り返すか、コントローラーを使って人が操作していた(写真1)。

写真1:会場に展示されていたロボットの多くが中国製だった

 中国勢以外では、川崎重工業やオムロンと提携するドイツのNeura Roboticsが大きなブースを出していたほか、韓国のスタートアップが多数出展していた。日本からはヒューマノイドロボットの出展はなく、KDDIがコンビニエンスストアや倉庫などのバックヤードで働く自走式ロボットを展示した。

韓国ヒョンデが最新ヒューマノイドロボットの量産を発表

 ヒューマノイドロボットには産業用と家庭用がある。実装に関しては産業用が先行している。韓国のHyundai Moter Grope(以下、ヒョンデ)が買収した米Boston Dynamicsは30年以上ロボティクス開発に携わる企業として知られる。四足歩行の「Spot(スポット)」は40カ国以上で稼働し、倉庫向けロボット「Stretch(ストレッチ)」も世界で使われている。

 CES2026では汎用型ヒューマノイドロボット「Atlas(アトラス)」の商用化を発表した(写真2)。2026年内にはヒョンデ傘下の工場などへ導入し、2028年までに量産化を進め年間3万台を製造するとした。

写真2:韓国のHyundai Moter Gropeは「Atlas」を含むロボットの量産に着手する

 Atlasは、まるで人間のように歩き、しゃがんだり立ち上がったりするほか、体を回転させて方向転換するというロボットらしい動きもする。2本の腕は最大110ポンド(約50キログラム)の荷物を持ち上げられる。バッテリーを自動で交換し、過酷な環境下で連続作業ができるという。

 多くの作業は1日以内に学習できるとし、その使い勝手の良さを強調する。2030年には、より複雑な組立工程ができるようにする。部品の選別など一部の作業は既に実現済みで、早くも「仕事が奪われる」と、その導入に反発する声が上がっている。

 Atlasの本体価格は約13万ドル(約2000万円)と見込まれ、自動車工場の生産職2年分の人件費に当たる。単体での販売だけでなくサブスクリプション形式のRaaS(Robotics as a Service)モデルも計画する。独DHLや蘭ネスレなどは既存のロボットをRaaSモデルで導入しており、Atlasの量産前に試験導入する企業は増えるかもしれない。