• News
  • 共通

【CES2026:モビリティ編】ロボタクシーやマイクロモビリティ、空飛ぶクルマの実装が加速

AI技術を組み込んだフィジカルAIによる自動化が進む

野々下 裕子(NOISIA:テックジャーナリスト)
2026年2月26日

世界から最先端テクノロジーが集結する国際イベント「CES」では、モビリティが主要カテゴリーの1つとして定着している。2026年は、自動車はもとより、新しいパーソナルモビリティや空飛ぶクルマなどの幅広い分野での電動化とAI(人工知能)技術を使った自動化の進展が目に付いた。フィジカルAIを活用したロボットカーも登場した。

 米ラスベガスで毎年1月に開催される「CES」は、当初の家電展示会の枠を超えて、電化する全てのジャンルを取り込みつつある。最も顕著なのがモビリティ分野だ。2012年頃から大手自動車メーカーがEV(Electric Vehicle:電気自動車)のコンセプトカーを発表したり、自動運転技術を開発するスタートアップが出展したりするようになって以降、今では1つのホールを占有するほどに出展者が増えている。

世界へ広がるロボタクシーサービスの最新車両が登場

 2026年特に自動運転技術の進化が目覚ましい。モビリティのメイン展示エリアであるLVCC(ラスベガスコンベンションセンター)のウェストホールでは、自動運転サービスを実装するメーカーのブースがずらりと勢ぞろいした。

 米Google Alphabet 傘下のWaymo(ウェイモ)は、ドライバーレスのロボットタクシーサービス「Waymo One」の拡大に向けて開発した新車両「Waymo Ojai(ウェイモ オハイ)」を公開した(写真1)。中国の吉利汽車(Geely)が製造する「Zeekr」の電動ミニバンがベースになっている。

写真1:ドライバーレスサービスを拡大する米Waymoの新車両「Waymo Ojai」

 Waymo Oneは米国内で2020年にスタートし、現在は6地域でサービスを提供している。イギリスを含む13都市で準備を進めており、日本を含む11都市でも試験運行が始まっている。日本では米サンフランシスコで使用している英ジャガー製のEV「I-PACE(アイ・ペイス)」が使用される予定である。

 米Amazon傘下で自動運転術を開発するZoox(ズークス)は、ロボタクシーの試験運転に使用しているトースター型4人乗りボックスカーを展示した。車内には運転席がなく、前後もないデザインになっている(写真2)

 実際に乗ってみたところ、4輪操舵により狭い場所でもスイスイと走行した。時速100キロメートル以上のスピードも出せるが、以前に乗ったWaymoよりも安定感があった。

写真2:米Zooxのロボタクシーは遊園地の乗り物のようなスタイル

 Zooxは2025年10月からラスベガスの中心地限定で試験運転を無料で実施している。今後は米国を中心に10都市以上でサービスを展開する予定だ。ラスベガスではハンドル付きの車両も使用しており、地域によって使用車両を変更する可能性がありそうだ。

ロボタクシー市場にUberやスタートアップが参入

 2026年は新しいロボタクシーが複数発表された。1つは、米Uber Technologiesが自社サービス向けに開発したロボタクシー。米テスラのライバルメーカーである米Lucid製のラグジュアリーSUVをベースにしている(写真3)。運転システムは米Nuroが開発している。Nuroはトヨタのウーブンシティを走る自動運転車両の開発にも携わっている

写真3:Uberはハイクオリティなロボタクシーサービスの提供を目指す

 車内は広く、ロボタクシーならではのプライベート空間と乗り心地により、競合他社との違いを出そうとしている。2025年12月から米サンフランシスコのベイエリアでテスト走行を開始しており、2026年後半にはサービスインする予定である。量産化も進め、2027年以降に10万台規模のロボタクシーフリートをグローバル展開すると発表している。

 もう1つのロボタクシーは、米シリコンバレー拠点のロボットカー開発スタートアップTENSORが開発中の新車両である(写真4)。自動運転と手動運転のハイブリッド仕様が特徴で、自動運転モードではハンドルとフットベダルが格納される。

写真4:TENSORのロボタクシーは自動運転モードに変形する

 車両は一般ユーザー向けに販売され、両方の運転モードを楽しめるだけでなく、利用しない時間はライドシェアサービス「Lyft」向けのロボタクシーとして貸し出せるようにする計画も進められている。

 LucidとTENSORは米NVIDIAと連携し、車載コンピューターに「NVIDIA DRIVE AGX Thor Developer Kit」を使ってレベル4の自動運転を実現している。多くのロボタクシーを開発するメーカーがNVIDIAと連携して実装を加速させている