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製造業でのフィジカルAI利用への取り組みを強化、AWSジャパン

上田 羽純(DIGITAL X 編集部)
2026年5月29日

AIエージェントが複数ロボットを統括しラインを管理

 自動車・製造事業開発本部 インダストリースペシャリストソリューションアーキテクトの山本 直志 氏は「フィジカルAIは、既存の装置などと連携して導入されるべきだ。そこでは、それぞれのロボットをAIエージェントが統括(オーケストレーション)し、各段階での作業終了や次段への引き継ぎなどを判断する」と説明する(写真3)。

写真3:AWSジャパン 自動車・製造事業開発本部 インダストリースペシャリストソリューションアーキテクトの山本 直志 氏

 AIエージェントによる統括について山本氏は「従来、装置の連携にはMES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)などを用いていたが、工程変更やライン組み換えが困難だ。AIエージェントなら組み替えが容易になり、変種変量生産のための柔軟性を確保できる」と説明する。

 AI-Driven Product Journeyでは複数のAI技術を導入している。コースターのデザインや彫刻用フォーマットへのデータ変換に生成AI技術を、製品検査に画像認識AI技術を利用する。「一般的な画像検査では正解画像として正しい製品サンプルが必要だが、一品一様の製品ではそれがない。生成AIでデザインすることで、デザイン画像と製品写真を比較した不良検出ができる」(山本氏)という。

 AIエージェントによる工場内データの活用デモでは、ラインを統括するAIエージェントに、各設備が持つデータの関係性をグラフデータベースとして与え、状況に応じて必要なデータを参照する。山本氏は「特定の注文について調査する際には、ERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)やMESなどのデータを横断的に調べる必要がある。AIエージェントにより、工場全体を管理し各所のデータを探して答えを見つける仕組みを構築できる」とする。

 独Siemensと共同展示した強度試験シミュレーション用ソフトウェアでは、部品図面からシミュレーション用データへの変換と、シミュレーション結果の分析にAI技術を利用している。得られた結果をAI技術で分析し、部品の厚さ不足といった強度不足の原因を特定することで、人手による分析に必要な時間を削減する。

 スイスのNeural Conceptと共同展示したソフトウェアでは、過去のシミュレーション結果から、条件と結果の関係を機械学習で予測するサロゲートモデルを搭載する。「従来は設計変更のたびにシミュレーションを実行しており非効率的だった。サロゲートモデルの導入により、限られたリソースで多くの設計案を探索できる」(山本氏)とする。