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AIの事業化から資金調達までを支える関西地域の共創基盤、レノボ・ジャパンが創設

かのう よしこ
2026年10月1日

関西からAI連携を日本全体へ広げる

 金融・資本市場を代表しては、プロジェクト発案者でもある日本取引所グループ(JPX)がある。 代表取締役グループCOO(最高執行責任者) 兼 東京証券取引所 代表取締役社長の横山 隆介 氏は「大阪は大学や事業会社が多く、行政やスタートアップとの距離が近いと感じていた。熱心に取り組むスタートアップ拠点もいくつかあり、これらが横でつながればと考えていた」と話す。

写真2:日本取引所グループ 代表取締役グループCOO(最高執行責任者) 兼 東京証券取引所 代表取締役社長の横山 隆介 氏

 実際、JPXの大阪・関西拠点では、スタートアップの育成・支援に力を入れている。2023年には「大阪スタートアップ成長支援塾」を始めた。今年は対象エリアを関西広域に拡げて「すでに卒業生は50社弱に上る」(横山氏)。同塾では、関連法律や会計、上場の知識などを学ぶ場を提供し、Exit(出口戦略)やM&A(企業の買収・統合)まで含めて支援している。

 横山氏は「大阪、ひいては関西全体がAIという“道具”を通じて有機的につながり、さらに日本中がつながれば、最終的には資本市場における日本経済全体の価値向上、日本の成長と発展につながると考えている。その準備段階として、今回レノボと取り組めることはありがたい」と大きく期待する。

 一方のレノボは「Smarter AI for All(全ての人や領域に、AIの恩恵を)」というビジョンを掲げて事業を進めている。メディア向け発表会後、創設記念セレモニーの冒頭には、レノボ・ジャパン 代表取締役社長の檜山 太郎 氏とレノボ インフラストラクチャソリューショングループCMO(最高マーケティング責任者)のフリン・マロイ(Flynn Maloy)氏が登壇。両氏は「関西AI Hubもこのビジョンに沿っている」と説明する(写真3)。

写真3:関西AI HUB創設記念セレモニーにはレノボ・ジャパン 代表取締役社長の檜山 太郎 氏(左端)やレノボ インフラストラクチャソリューショングループ CMO(最高マーケティング責任者)のフリン・マロイ(Flynn Maloy)氏(右端)ら関係者一同が登壇し、連携を印象付ける

 活動の出発点に関西を選んだ理由には「多くの事業体、大学や研究施設、日本を代表する産業界、自治体、資本市場がコンパクトにまとまり、互いに連携している」(両氏)点を挙げる。檜山氏は「AIの社会実装を進めるにはこの連帯感がどうしても必要だと考え、関西から始めることにした」と強調する。

 レノボは世界各地でAIスタートアップやイノベーターを支援してもいる。マロイ氏は「日本はグローバルの取り組みの中で重要拠点になる。開設したのは単なるハブ施設ではなく、日本のAIスタートアップや企業が、共に連携して飛び立つための“発射台”だ」と力を込める。

 セレモニーでは、大阪府 制作企画部 戦略調整局 副理事の多田 一也 氏、関西経済連合会 常務理事産業部長の久米 一郎 氏、インテル日本法人 執行役員 アカウント・パートナー事業本部 本部長の高橋 大造 氏もスピーチ。また利用者側の事業者が登壇するセッションも開いた。

 登壇者らは「日本のAI技術力は、世界と比べても遜色がない」と口をそろえる一方、その技術を市場に届ける過程が不足しているとの認識を示す。関西AI Hubの今後を張氏は「日本のAI技術者とさまざまな企業が同じ思いで、一緒にAI市場を広げていく、そのハブになりたい」と展望する。