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ヒューマノイド用AIモデルのためのデータ収集拠点、民間コンソーシアムのJ-HRTIが開設
参画企業は自社導入や事業化を期待
関東データファクトリーは、国内の民間企業のみで運営するデータ収集拠点としては「これが日本では初めてだ」(磯部氏)という。J-HRTI運営委員長で山善のトータル・ファクトリー・ソリューション支社 参与の中山 勝人 氏は「多様な業種から集まった各社の知見を集め、フィジカルデータを効率良く収集する他にない取り組みだ。2026年度中の社会実装を目指す」と強調する。参加企業各社は関東データファクトリーに次のような期待を寄せている。
山善の専任役員 トータル・ファクトリー・ソリューション支社長の丸山 洋彦 氏は「多品種少量で機械化が難しい製造工程の自動化・省人化に向けたヒューマノイドによる労働力の置き換えに期待する。人はより高負荷な作業に集中でき、特に危険な作業の代替では、より高い効果を発揮できるだろう」とみる。そのために仕入先メーカー約3000社と製造業の顧客企業とのネットワークを生かし、現場データの広い収集を目指す。
ツムラ 執行役員 生産本部長の熊谷 昇一 氏は「漢方薬の需要が増える一方で、従業員の確保が難しくなっている。人手に頼る作業や人の動きを前提にした構造が多い工場ではロボットの導入が難しい」としたうえで「視覚や触覚といった感覚を持ち、人にとって代われるロボットを導入したい」(同)と話す。
ディーエムエス 代表取締役社長の山本 克彦 氏は「荷物の形や重さのバラツキや、ダイレクトメールの厚みに合わせたミリ単位の調整といった作業があり機械化が進んでいない。人と同じ作業、特に手の器用さを持つヒューマノイドが大事だ。当社が率先して人とヒューマノイドが働く現場を作り『DMS-RaaS(Robot as a Service:サービスとしてのロボット)』として展開したい」と意気込む。
芙蓉総合リース DX・マーケティング戦略部 次長の堀内 洋介 氏は「ヒューマノイドの導入には、機体だけでなく良質なデータと金融の仕組みが欠かせない。リースやレンタル、融資で初期投資のハードルを下げ、人手不足に困っている企業へ広く提供し、データを得る循環を作りたい」とした。
J-HRTIは今後、関東データファクトリーのような大型拠点をマザー拠点に位置付け、複数展開する考え。現在、2番目の拠点候補地を選定中という。さらに、その下にサテライト拠点を置き、合計10カ所でのデータ収集を予定する。サテライト拠点ではヒューマノイドを5台程度設置しデータを収集するほか、地元企業が持つ現場データの受け付け窓口にもなる。
J-HRTIに正式に参加していない企業が学習データを収集したりAIモデルを利用したりできるように、2026年内には簡易データ収集キットの試験レンタルを開始する予定である。J-HRTI参加企業が実施するプロジェクトなどを経由した形での参加も認める。データ提供企業には、提供データの量や質に応じて、J-HRTIが持つデータや学習済みAIモデルを割安に使える案などを検討している。
また現在は民間企業のみでの運営だが「研究機関との連携も検討している。国内のヒューマノイドやLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)の開発企業とデータ面で協働する可能性もある。競合との関係は表裏一体で、強みを生かした連携を模索したい」(磯部氏)ともいう。