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年間500超の試合日程を自動生成、SVリーグ×NSSOLで“世界最高峰”に向け集客力の高い試合運営を可能に

2026年3月30日

人手では試合日程が組めず“作り直した”無駄も一掃

──実際に利用して業務は改善されましたか?

野村 :初めてシステムを試したのは半分ほど出来上がったころでしたが、その時点で結果が出るまでの速さには驚かされました。わずか数秒で制約条件を満たす試合日程が出力されたのです。試合日程が組めないケースもありますが、解が出ない時の原因も数秒ほどで表示されました。人手で試合日程を組んでいた頃は、ほぼ組み上がった状態までこぎつけても、最終的に条件の一部が成立せず「最初から作り直し」といった苦い経験をしていましたが、その無駄は今回のシステム化で抜本的に解消できました。

樋川 :自動立案や画面などの基本機能はすでに存在していたので、それらに手を加える形での開発は、比較的困難なく進められました。ただ、SVリーグに固有の新たな要件も少なくなく、試合日程成立の複雑さは増しています。

 そこで、考慮事項と実行時間のバランスが取れるよう、SV.CardPlannerでの試合日程作成は段階的に進めるフローにしました。まず大同生命SVリーグ男子の試合日程を決め、その結果で確定する会場の制約条件などを前提に、大同生命SVリーグ女子、SVグロースと順に試合日程を作成していきます。

 本番業務で解が出ない場合は、条件の緩め方を野村氏と相談しながら、試合日程の最終確定までに各クラブの要望をできる限り多く取り込めるよう、知恵を絞りました。

米川 峻矢 :NSSOL 技術本部 システム研究開発センターの米川 峻矢です(写真5)。 SV.CardPlanner ではUI(User Interface)周りを主に担当しました。

写真5:NSSOL 技術本部 システム研究開発センター デジタルツイン研究部 研究員の米川 峻矢 氏

 試合日程作成の過程は試行錯誤の連続です。解が出たとしても、その良し悪しを文字情報だけから見つけるのは困難です。

 例えば今回は「同一対戦カードの試合間隔を基準値以上確保する」というルールがありました。システムは条件を満たす解を見つけますが、対戦カードごとに公平に確保されているかまでは分かりません。そこで、試合間隔などを視覚的に把握できるよう、試合日程の確認画面では対戦カードごとに色分けして表示するようにしています(図1)。広報業務などの支援に向け、策定結果を広報用フォーマットに整えて出力する機能なども実装しました。

図1:SV.CardPlannerの画面例。色分けによって同一カードの対戦間隔や制約が満たされない原因が直感的に把握できるように工夫した

楽しみ、喜んでもらえる試合日程作成の必須ツールに

──導入効果をどう捉えていますか。

野村 :2025-26シーズンの試合日程作成から利用を開始していますが、もっと前から使いたかったというのが実感です。最終的に考慮する制約条件は当初の想定よりも複雑化しましたが、回答が出るまでに数秒、厳しい条件でも2分ほどで回答が得られます。条件設定を変えることで5パターンほどの試合日程候補が容易に得られ、どれを選ぶかを逆に悩むほどです。

 例年4月に次のシーズンに参加するクラブが決まります。その最終決定から試合日程確定までの期間は以前と大きくは変わっていませんが、労力は8~9割は削減できています。結果、プロスポーツとしてテレビ放映の有無なども考慮した、ファンにより楽しんでもらうための試合日程案の検討に時間を割けるようになりました。人力で組んでいたころに味わった「何とか埋まった」という経験は、もう懲り懲りです(笑)。

竹内 :昨シーズンに比べて、大同生命SVリーグの試合で満席になる会場が増えたと感じています。注目されるカーディングのための試合日程の検討に多くの手間をかけられるようになったことも、その一因だと思います。観客が多ければ当然、クラブの収益にも確実に寄与します。

 今後、試合日程をより早く出せるようになれば、クラブが仮押さえしていた会場のキャンセル料の抑制にも貢献するはずです。ホームゲームでのイベントの段取りも立てやすくなります。そうしたシステム化のメリットが今、参加クラブの間にも伝わっているところです。

野村 :現状のシステムは10点満点で10点と十分に満足しています。ただ、取り巻く環境は変わり続けます。参加クラブの増加はもちろん、バレーボールの国際スケジュールが変更になる可能性もあります。そうなればリーグのシーズンの考え方も変わります。NSSOLには、そうした新たな要望への対応を引き続きお願いしたい。より高いレベルで応えてもらえると確信しています。

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