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年間500超の試合日程を自動生成、SVリーグ×NSSOLで“世界最高峰”に向け集客力の高い試合運営を可能に

2026年3月30日

バレーボールの国内最高峰リーグ「大同生命SV.LEAGUE」の運営組織である公益社団法人 SVリーグは、“世界最高峰のバレーボールリーグ”を目標に、制度改定や地域密着での人材育成などに取り組んでいる。そのためには、よりファンに喜ばれる試合日程の実現が不可欠だ。その年間計画の策定に2025年5月から、日鉄ソリューションズ(NSSOL)が開発した試合日程作成システム「SV.CardPlanner(SVリーグでの呼称)」の利用を始めている。試合日程案の作成にかかる時間が数秒に短縮され、公平性の高い試合日程が来場者の増加といった効果として表れている。SV.CardPlannerの導入の狙いや開発時の思い、今後の期待などをプロジェクト担当者が語った。(本文敬称略)

──バレーボール競技の強化に向け、これまでの「V.LEAGUE(旧Vリーグ)」を発展させるかたちで新たに「大同生命SV.LEAGUE(大同生命SVリーグ)」と「V.LEAGUE(Vリーグ)」を発足させました。

野村 周一朗(以下、野村) :SVリーグ 競技運営グループの野村 周一朗です(写真1)。1994年からの約30年にわたり国内バレーボールでは実業団を主体とした旧「Vリーグ」が運営されてきました。それを世界最高峰のリーグを目指し2024年、運営組織としてのSVリーグが設立されました。SVリーグの「S」には「Strong(強く)」「Spread(広く)」「Society(社会)」の3つの意味が込められています。

写真1:SVリーグ 競技運営グループの野村 周一朗 氏

竹内 真(以下、竹内) :ジャパンバレーボールリーグ 事務局の竹内 真です(写真2)。2024年10月に開幕したVリーグは、大同生命SVリーグに次ぐ位置付けのリーグです。大同生命SVリーグは世界最高峰リーグの実現を、Vリーグは地域密着型リーグとして競技人口の拡大や若手/アマチュア選手の育成を、それぞれが目指し活動しています。しかし、Vリーグは2025-26シーズンをもって開催を終了いたします。2026-27シーズンからは新たに将来的な大同生命SVリーグへの参入、さらに、その先の世界最高峰へと大きく”成長・発展(GROWTH)”することを志すクラブから成る「SV.LEAGUE GROWTH(SVグロース)」が開催されることが決まっています。

写真2:ジャパンバレーボールリーグ 事務局 竹内 真氏

──立ち上がったばかりの大同生命SVリーグの運営には苦労が多そうです。

野村 :とにかく多忙です(笑)。今後の成長に向けて組織の垣根を超えた運営方法の議論が始まるなど、やるべきことが山積しています。誰もが、いくつもの仕事を掛け持ちしており、業務が固まるのはこれからです。その中で懸案事項の1つになっていたのが、開幕した大同生命SVリーグの試合日程の決定に関するものでした。

対戦条件の変更で年間計画の策定が一気に困難に

野村 :大同生命SVリーグ、Vリーグともに、レギュラーシーズンのリーグ戦の試合は連続した2日の「節」単位で開催します。ただシーズンを通した対戦カードの決定では考慮すべき点がありますが、リーグ体制の変更に伴って、試合日程作成の制約条件にいくつもの変更が生じました。

 その1つが、試合と興行の公平性を担保するために「完全ホーム&アウェー制」の厳密化が規約で定められたことです。さらに、レギュラーシーズンの年間試合数が1クラブ当たり44試合と旧Vリーグより8試合増え、近い将来には男⼦クラブ数の増加も予定されています。

 旧Vリーグでは、クラブに10パターンほどの日程案を提示し、各クラブの希望を聞いた後に、開催スケジュールを人手で埋めるというやり方で試合日程を作っていました。ですが、大同生命SVリーグにおける試合数の増加や規約の追加、それに伴う試合日程に関するクラブからの要望も多様化・流動化する中、これまでのやり方では通用しないことは明白でした。

 対戦カードを決めるカーディング業務に携わってきた私や竹内などのスタッフは、この状況に危機感を覚えました。これまで手間暇をかけて人手で作成した試合日程でも、どこか偏りがあるとの印象は拭いきれていなかったのですが、それを、より厳しい条件下で作成しなければならない。最初の試合日程案を組むことさえ困難で、複数の案を作成し、どれが良いのかを検討するようなやり方は「とてもできない」と予想できました。