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アクア、コインランドリー用洗濯機をクラウドに接続し「スマートシティのプラットフォーム」を目指す

志度 昌宏(DIGITAL X 編集長)
2017年10月12日

中国の家電大手ハイアールグループのアクアが2017年11月上旬にも、クラウドに接続できるコインランドリー用洗濯機を発売する。そのうえで12月には、同洗濯機から得られたデータをオーナー企業が参照したり他業種のサービスと連携したりを可能にする「AQUA次世代Cloud IoTランドリーシステム」を投入する。2020年に向けて3段階でサービス拡充を図り、「スマートシティのプラットフォーム」を目指す。

コインランドリーはもう“洗濯のため”だけの場ではない

 11月にも発売するのは、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)対応したコインランドリー用の全自動洗濯乾燥機やガス乾燥機、全自動洗濯機と、ICカード決済やポイント発行などの機能を持つ「マルチ端末」など(写真1)。これらをIP-VPN(仮想私設網)経由でクラウドに接続するためのデータコントローラーなども用意する。撥水加工や強力洗浄、毛布専用といた洗濯ができるほか、清潔で安心な店舗作りがトレンドの最近のコインランドリーに合わせ鮮明な本体色を採用している。

写真1:IoTに対応するアクアのコインランドリー向け新型洗濯機やマルチ端末(左奥)

 マルチ端末は、大型のタッチパネルを持ち、コインランドリー内にある、どの洗濯機を、どのコースで利用するかを選べるようにする。非接触式ICカードを使った会員カードの発行やチャージ/引き落とし、現金による決済、領収書の発行、あるいは利用者が持つスマートフォンへのクーポン発行などにも対応する。

 これらの機器を接続する先のクラウドが「AQUA次世代Cloud IoTランドリーシステム」だ。アクア日本代表の吉田 庸樹 氏は、「家事の時短や清潔志向の高まりからコインランドリーの運営形態は、従来とは異なり、カフェやペットサロンなどとの併設も珍しくなくなっている。そこでは、洗濯の待ち時間を対象にした各種サービスが連携することにある。次世代Cloud IoTランドリーシステムは、そうしたサービスを束ねる“スマートシティのプラットフォーム”に育てたい」と意気込みを語る(写真2)。

写真2:AQUA Cloud IoTランドリーシステムにおいてアクアが描く将来像