• News
  • 物流

日本郵船、船舶IoTにおけるエッジコンピューターの実証実験に成功

DIGITAL X 編集部
2018年2月22日

日本郵船が、2017年9月に開始した次世代の船舶IoT(Internet of Things:モノのインターネット)基盤にエッジコンピューターを採り入れる実証実験について、成功したと発表した。陸上に配置したIoTシステム基盤から船上のエッジコンピューターにアプリケーションを配信し、そのアプリケーションが動作することを確認した。2018年2月15日に発表した。

 次世代の船舶IoT基盤に向けた実証実験は、2017年9月に開始したもの。日本郵船とMTIが共同開発した船舶IoT基盤「SIMS(Ship Information Management System)」にエッジコンピューターを組み込むのが実証の目的だった。

 具体的には、船上にエッジコンピューターを配置し、船内で発生するセンサーデータや計器のデータ、エンジンの稼動状態を示す各種データなどすべてを集約し、そこから船舶上の機器をリアルタイムに制御できるようにする。陸上にあるシステムからの制御では遅延が発生し、機器のリアルタイムな制御が難しいためである。

 実験では、陸上にあるNTTデータのIoTシステム基盤「ANYSENSE」から、船舶上のエッジコンピューターにアプリケーションを配信。そのアプリケーションがエッジコンピューター上で動作するようにシステムや通信環境を整備した。システム環境が整った段階で、実際にアプリケーションを廃止した結果、配信と動作に成功した(図1)。

図1:陸上から船舶に載せたエッジコンピューターにアプリケーションを配信し、エッジコンピューターで動作することを確認した

 今回構築したシステムは、各種船舶運航データの国際標準規格化案に対応している。同案は、日本舶用工業会が中心になって策定したもので、現在国際標準化機構(ISO)が標準化に向けて作業を進めている。今回のシステムで収集したデータは船上で活用するだけでなく、陸上のデータセンターにも送信する。送信先のデータセンターは、日本海事協会が設立したシップデータセンターが運営する。これらデータは、海事業界が推進している船舶IoT基盤でも活用できる。

 今後は、日本郵船グループの外航船(他国まで運航する船舶)でも実証実験を実施する予定である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名日本郵船
業種物流
地域東京/全世界
課題看護師によって業務効率にばらつきがある。この点を改善して全体の業務効率を向上させたい
解決の仕組みエッジコンピューティング機器を船舶に搭載
推進母体/体制日本郵船、MTI、NTT、NTTデータ
活用しているデータ船舶の運航状態を示すデータ
採用している製品/サービス/技術船舶用エッジコンピュータ「SIMS BOX」(日本郵船とMTIが開発)、IoTシステム基盤「ANYSENSE」(NTTデータ製)、船舶間通信技術(ノルウェーDualog製)
稼働時期2017年9月