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大同生命保険、給付金の請求査定にAIを活用

DIGITAL X 編集部
2018年7月26日

大同生命保険は、保険給付金の査定業務にAI(人工知能)を導入し業務の効率化を図る。約5カ月間の実証実験の結果が良好だったため、AI導入を決めた。システムを納入するTISが2018年7月2日に発表した。

 医療保険の給付金は、入院や手術の内容に応じて支払うもの。高齢化などに伴い請求件数は増加しており、請求内容の確認業務の負荷が高まっている。そこで大同生命保険は、給付金の請求査定業務にAI(人工知能)を導入する。

 今回導入するAIは、給付金の請求内容が、過去の請求と同一要因によるものかどうかの判断を支援するもの。請求事由である傷病と、保険加入者の過去の入院歴の関連性を指摘する(図1)。給付金は、入院などの直接の要因が同一あるいは医学的に関連がある場合は、一度しか支払えないためだ。

図1:請求事由の傷病と過去の入院歴が関連する可能性をAIが指摘する

 正式導入に先立ち大同生命保険は、実証実験を2017年10月から2018年2月にかけて実施した。過去の支払履歴から機械学習モデルを構築。AIによる判定結果と過去の支払査定結果とを突合し正解率などを検証したところ、良好な成果を得られたという。

 システムはTISが開発。今後は「AIサジェストサービス」として製品化し、2018年10月から他の保険会社にも提供するとしている。加えて、不正請求の検知や加入者への請求勧奨といったAIの新機能も保険会社と協力しながら開発する計画である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名大同生命保険
業種金融・保険
地域大阪市西区
課題給付金の請求が増加し、請求内容の確認業務が追いつかなくなりつつある
解決の仕組みAIを活用し、請求事由となった傷病と過去の入院歴が関連性を指摘する
推進母体/体制大同生命保険、TIS
活用しているデータ過去の給付金請求と支払履歴のデータ
採用している製品/サービス/技術「AIサジェストサービス」(TIS製)
稼働時期2017年10月~2018年2月に実証実験を実施し、本番導入を決定