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会津若松市が除雪・排雪のためのIoTを実証実験、開発するMomoとビッグローブが販売へ

DIGITAL X 編集部
2019年2月4日

福島県会津若松市が、除雪および排雪の作業効率を高めるために、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の仕組みを用いる実証実験に取り組んでいる。積雪量測定と除雪車/排雪車の運行管理を連携させる。同システムのためのIoT基盤を提供するMomoと無線通信端末を提供するビッグローブが2019年1月21日に発表した。

 会津若松市での実証実験は、センサーで計測した積雪の可視化と、除雪車/排雪車の運行管理を統合するもの。市内4カ所で積雪量をリアルタイムに計測し、除雪車/排雪車に提供するとともに、除雪車/除排雪車の運行状況もリアルタイムに把握・可視化する。2018年12月26日から実施している。

 これまで市内4カ所の積雪量を確認するには、自治体職員が3時間をかけていた。今回、それを簡易積雪センサーに置き換えた。同センサーは、省電力のLPWA(Low Power Wide Area)通信を利用し、かつ他端末を経由しながら広範囲に通信できる「マルチホップ通信」機能を持っている。

 一方、除雪車/排雪車には、LTE通信機能やGPS(全地球測位システム)機能、10軸センサーを持つ無線端末を搭載。車のエンジンと連動して動作することで、運転手に負担を掛けずにリアルタイムでトラッキングできるようにした(図1)。効率的な運行管理のほか、複数自治体での重複申請といった不正防止、雪捨て場付近の渋滞状況監視などへの有効性を検証する。

図1:IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を使った除雪車/排雪車の運行管理のイメージ

  積雪情報をレーザーで計測できるセンサーである「IoT積雪センシングシステム」は、IoT基板を開発するベンチャー企業であるMomoが開発。同センサーと、LTE無線通信機能などをもつIoT端末「BL-02」(ビッグローブ製)を組み合わせることで、道路工事や電源の引き込みなどの工事なしに、遠隔地の積雪計測を可能にしている(写真1)。

写真1:積雪を計測する「IoT積雪センシングシステム」とIoT端末「BL-02」(右)

 計測データは、MomoのIoT基盤「パレットIoT」で集計する。パレットIoTは、センサーから通信、サーバー、アプリケーションまでをカバーする開発・実行基盤である。

 Momoとビッグローブは、会津若松市での実証結果を検証しながら、両社製品を連携させた「統合的除排雪システム」として開発し、2019年8月の発売を目指す。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名福島県会津若松市
業種公共
地域福島県会津若松市
課題除雪/排雪のための車の運行や関連作業を効率化したい
解決の仕組み積雪量や除雪車/排雪車の動きをIoTで管理し、状況をリアルタイムに把握する
推進母体/体制福島県会津若松市、Momo、ビッグローブ
活用しているデータセンサーで図った積雪量、各除雪車/排雪車の運行状況など
採用している製品/サービス/技術「IoT積雪センシングシステム」とIoT基板の「パレットIoT」(Momo製)、IoT端末「BL-02」(ビッグローブ製)
稼働時期2018年12月26日