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竹中工務店、病院やオフィスの照明や空調を音声と文字で操作できる仕組みを開発

DIGITAL X 編集部
2019年3月30日

病院や福祉施設、オフィスの設備機器を音声と文字を使って操作するための仕組みを、竹中工務店が神田通信機と共同で開発した。身体が不自由な人や、声を出しづらい状況でも照明や空調などが操作できるようになる。2019年3月7日に発表した。

 竹中工務店が神田通信機と共同開発した「ツイートREMO(リモ)」は、音声/文字認識AI(人工知能)を使った設備の制御システム。病院や福祉施設、オフィスなど複数の設備が置かれている建物において、照明や空調を音声と文字で操作できるようにする。

 仕組みとしては、スマートスピーカーやスマートフォンに入力した音声/文字を、米Googleが提供するAI(人工知能)サービス「Google Assistant」で認識し、言語解析の「Dialog flow」で設備の操作指令に変換する。ビル内ネットワーク用の通信規格であるBACnetのゲートウェイを通じ、各種設備機器を遠隔操作する(図1)。

図1:音声/文字認識AI制御システム「ツイートREMO」の仕組み

 ツイートREMOを実現するために開発した技術は、(1)音声/文字による指令の通信ロジック、(2)BACnet対応のゲートウェイ、(3)位置検出アプリケーションの大きく3つ。通信ロジックは、スマート端末からの音声をクラウド上で認識し、場所/制御対象/制御内容を抽出し、設備操作指令(制御信号)に変換するもの。スマートフォンで入力した文字も変換できる。

 BACnet対応ゲートウェイは、クラウド上のWebアプリケーションから受け取った設備の操作指示を、BACnet通信に変換して建物内の各設備機器に送信し、遠隔操作を可能にする。

 位置検出アプリケーションは、スマート端末からの制御に対応するために、操作者を特定するためのもの。各部屋にビーコンを設置し、BACnetゲートウェイに情報を送信することで位置を検出する。これにより対象外の設備への誤送信を防ぐ。

 竹中工務店は今後、ツイートREMOを病院や福祉施設などの建物に展開し、音声・文字のみでの設備操作できるようにすることで、施設利用者の利便性や快適性の向上を図っていく。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名竹中工務店
業種製造
地域大阪市中央区
課題建築する病院や福祉施設などでは音声や文字でした設備を操作できない人がいる
解決の仕組み音声/文字をAIで認識し、そこから照明や空調を制御する
推進母体/体制竹中工務店、神田通信機
活用しているデータ施設利用者の音声データまど
採用している製品/サービス/技術自然言語処理Google Assistant(米Google製)、言語解析「Dialog flow」(米Dialogflow製i)、ビル内ネットワーク用規格のBACnet