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兵庫県加古川市、高齢者の健康寿命をAIなどで延ばす実証実験を開始

DIGITAL X 編集部
2019年8月23日

兵庫県加古川市は、市内在住の高齢者を対象に健康寿命を伸ばすための実証実験を開始した。認知症による行方不明などをAI(人工知能)などを使って早期に解決できるようにするのが目的。実験に参加するALSOK、NTT西日本、ジョージ・アンド・ショーンとともに2019年8月5日に発表した。

 兵庫県加古川市は、「総合計画」と「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、スマートシティ化を進めている。これまでも警備会社のALSOKとともに「見守りサービス」などを提供してきた。

 今回、市内に住む高齢者を対象に、健康寿命を延ばすための新たな見守りの仕組みを実証実験する。具体的には、高齢者が認知症になることで徘徊し行方が分からなくなった際に、その居場所を早期に発見できる仕組みを検証する。

 そのために、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)を検知できるAI(人工知能)と、見守りサービスで蓄積してきた位置情報などのデータベースを連携し、対象者の所在を追い掛ける(図1)。

図1:高齢者の健康寿命をAIなどで延ばす実証実験の概要

 MCIを検知するAIは、NTT西日本とジョージ・アンド・ショーンが共同開発している仕組み。見守りサービスの位置情報データベースは、ALSOKらと整備してきたものである。

 実験は、2021年3月までの予定で、加古川市内の一般戸建て住宅もしくは一般集合住宅に住む65歳以上を対象にする。実験結果は、スマートシティづくりに反映するほか、MCI検知エンジンなど種々疾病の予測精度向上に利用したい考えだ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名兵庫県加古川市
業種公共
地域兵庫県加古川市
課題高齢化に伴う認知症による行方不明などが発生している
解決の仕組み認知症の発症を検知できる仕組みと、市内の居場所を特定できる仕組みを組み合わせ、徘徊している人を早期に発見する
推進母体/体制加古川市、ALSOK、NTT西日本、ジョージ・アンド・ショーン
活用しているデータ高齢者の睡眠状況や行動などの情報、市内に設置した見守りカメラやセンサーの情報など
採用している製品/サービス/技術MCI検知エンジン(NTT西日本とジョージ・アンド・ショーンの共同開発)など
稼働時期2019年8月〜2021年3月(予定)