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洗濯・乾燥機メーカーのTOSEI、コインランドリーと周辺サービスをつなぐIoTクラウドを構築へ

DIGITAL X 編集部
2019年10月23日

コインランドリー用の洗濯・乾燥機を製造するTOSEIは、コインランドリーを対象にしたIoT(Internet of Things:モノのインターネット)クラウドを構築し、2020年3月から順次サービスを開始する。コインランドリーのオーナーのビジネス機会を拡げたり、利用顧客の利便性を高めたりするのが狙い。他業種との連携も目指す。IoTサービスを共同開発するソフトバンク・テクノロジー(SBT)やコンテックとともに2019年9月17日に発表した。

 TOSEIが開発する「TOSEI クラウド」は、コインランドリーのオーナーや利用顧客に向けたIoT(Internet of Things:モノのインターネット)サービス。コインランドリーオーナーのビジネス機会の創出と、利用顧客の利便性向上を狙う。TOSEIはTOSEIクラウドを用いたコインランドリー経営や開業を支援していく(図1)。

図1:異業種連携を視野に、コインランドリーオーナーのビジネス機会の創出と、利用顧客の利便性向上を狙う

 オーナー向け機能としては、まず2020年3月時点に店舗管理機能を提供する。コインランドリーの複数店舗の売り上げや店舗情報、機器の稼働情報を、ダッシュボード画面から一元管理できるようにする(図2)。

図2:複数店舗の売り上げや機器の稼働状況をダッシュボードで一元管理できる

 2020年4月以降、顧客管理や外部連携、AI(人工知能)予測などの機能を提供する。顧客管理では、利用状況に応じたキャンペーンやクーポンの発行、近隣店舗とのデータ連携による相互送客などを可能にする。

 外部連携やAI予測では、天気などの外部データと連携し、各店舗の売り上げをAIで予測できるようにする。メンテナンスや消耗品補充の最適化にもAIを利用するとしている。

 利用客向け機能としてはまず、店舗や機器の稼働情報などを提供し、コインランドリーを検索したり各店舗の情報を確認したりできるようにする。各機器の稼働状況を確認できるようにすることで、機器の空き時間に合わせた来店などが可能になる。

 2020年4月以降は、マルチ決済やキャンペーン情報の取得、洗濯・乾燥機の事前予約などを可能にする。

 TOSEI クラウドでは、コインランドリー業者以外との連携も目指す。駐車場やカフェなどの空きスペースにコインランドリーを開設してもらったり、コンビニエンスストアやヘアサロンなどとは洗濯中の待ち時間を有効利用したり、配送の相乗りといったサービス連携を図ったりしたい考えだ(図3)。利用客に近隣店舗で利用できるクーポンなどを発行することも可能にする。

図3:コインランドリーの情報を他業種に提供し新たなサービス創出を図りたい考え

 TOSEI クラウドは、ソフトバンク・テクノロジー(SBT)と、電子機器メーカーのコンテックと共同で開発する。

 SBTは、TOSEI クラウドのサービス企画のコンサルティングや、米Microsoftのパブリッククラウド「Microsoft Azure」を活用したIoTサービス「IoT Core Connect」をベースにIoTやAIの技術を提供する。コンテックは、洗濯・乾燥機などとクラウドを接続するためのIoT機器を提供する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名TOSEI
業種製造
地域東京都品川区(本社)
課題コインランドリー事業を拡大するためには、オーナーのビジネスチャンス創出や利用客の利便性を高める仕組みが必要
解決の仕組みコインランドリーを対象にしたIoTクラウドを構築し、オーナーの経営負担を軽減したり利用客向けサービスの向上を図る。そのうえで他業種との連携により新たなサービス創出に取り組む
推進母体/体制TOSEI、ソフトバンク・テクノロジー(SBT)、コンテック
活用しているデータコインランドリーの複数店舗にある機器の稼働状況や売り上げ情報、天気などの外部データなど
採用している製品/サービス/技術IoTサービス「IoT Core Connect」(「Microsoft Azure」上でSBTが開発・運用)、洗濯/乾燥機をクラウドに接続するためのIoT機器(コンテック製)、データ分析用のAI(SBTが提供)など
稼働時期2020年3月から順次サービスを開始