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損保ジャパンがコンタクトセンターのデジタル化を強化、AIによる音声認識・自動応答システムを導入

DIGITAL X 編集部
2020年5月7日

損害保険ジャパン日本興亜(以下、損保ジャパン)がコンタクトセンターのデジタル化を進めている。AI(人工知能)などを使った自動化と担当者に応対の最適な組み合わせを目指す。その一環で、2020年3月からAIを使った音声認識・自動応答システムを自賠責部門に導入している。顧客の待ち時間短縮が狙い。システムは伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が開発した。2020年3月31日に発表した。

 損害保険ジャパン日本興亜(以下、損保ジャパン)が、コンタクトセンターでの顧客対応品質を高めるために、AI(人工知能)などを使ったデジタル化を進めている(図1)。

図1:損害保険ジャパン日本興亜がデジタル活用で目指すコンタクトセンターの姿

 これまでに、会話内容を音声認識技術でテキスト 化し、最適な回答候補を担当者に表示する「アドバイザー自動知識支援システム」や、海外旅行保険のネットサイトにAIチャットボットなどを導入してきた。

 2020年3月からは、年間約9万件の問い合わせを受ける自賠責保険のためのコンタクトセンターに、AIを使った音声認識・自動応答の仕組みを導入している。混雑時は問い合わせ内容に応じたオペレーターに電話をつなぐまで待ち時間が発生する。新システムにより、通話うち30%を自動で応答し、適切なオペレーターにつながるまでの時間を短縮する。

 採用したのは自動応答システムの「CTC-AICON(シーティーシーアイコン)」(伊藤忠テクノソリューションズ製)。顧客が発した音声を認識し、顧客を待たせることなく自動で受付・応答するほか、オペレーターによる対応が必要な場合は担当者に振り分ける(図2)。

図2:自賠責保険のコンタクトセンターに導入した音声の自動認識・応答の流れ

 顧客の発話内容はテキストに変化し、担当オペレーターに届けることで、接続後すぐに顧客対応を開始できる。損保ジャパンによれば、顧客の発話内容を認識し問い合わせ内容別に適切な担当者に振り分けるサービスは保険業界初という。

 今後は、同様の仕組みを自動車保険や火災保険、障害保険などのコンタクトセンターにも展開することを検討。既存の知識支援システムやAIチャットボットとも組み合わせ、顧客対応における品質向上を図る。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名損害保険ジャパン日本興亜
業種金融・保険
地域東京都新宿区(本社)
課題顧客からの電話による問い合わせ時間を短縮したい
解決の仕組みAIを活用し音声認識と自動応答による自動化を図る
推進母体/体制損害保険ジャパン日本興亜、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)
活用しているデータコールセンターにかかってきた顧客の発話
採用している製品/サービス/技術音声認識自動応答システム「CTC-AICON」(伊藤忠テクノソリューションズ製)
稼働時期2020年3月