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東京海上日動、天候データを活用した風災被害を予測するAIモデルを日本IBMと共同で開発

DIGITAL X 編集部
2020年5月20日

東京海上日動火災保険は、強風が発生したエリアにおける被害レベルを予測するAIモデルを日本IBMと共同で開発した。IBM傘下のThe Weather Company(TWC)が持つ天候データを使って学習した。AIモデルの精度や汎用性を高めながら、保険加入者への能動的な保険金請求など、より迅速な保険金支払いの仕組みを実現したい考え。2020年4月28日に発表した。

 台風などの自然災害による被害拡大が全国的に見られる中で、保険会社には、事故受付から保険金支払いまでの迅速な対応が求められている。東京海上日動火災保険においても、台風など大規模な自然災害が発生した際に、被害状況の確認から保険金支払いまでの体制整備が課題だった。

 今回、強風が発生したエリアにおける被害レベルを予測するAIモデルを日本IBMと共同で開発した。開発においては、台風による風災被害の予測技術を適用するための実証実験も実施した。

 実験では、東京海上日動が過去の事故対応で集積したデータと、IBM傘下の気象情報サービス会社であるThe Weather Company(TWC)が提供する気象データを組み合わせ、強風エリアにおける被害レベル(被害の有無、被害件数、保険金支払見込額)を早期に予測する「風災被害AI予測モデル」を構築。その実現性を検証した。

 TWCが提供する予報データは、1キロメートルメッシュの範囲で最大15日先までのデータを1時間単位で提供する。気温や降水量、風向・風速、気圧などの一般項目のほか、直達日射量、体感温度、視程、空気密度などビジネスに活用できる予報や現況、過去データをAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)として提供している。

 実験の結果、特定の台風において、地域レベルでの支払件数を高い精度で予測できた。たとえば、2018年に発生した台風21号のケースでは、特に被害の大きかった大阪府において、実際の保険金支払い件数と予測件数は誤差率5%以内に収まった。

 今後は、より細かい粒度のオープンデータや多くの台風データを学習させ、AIモデルの精度をさらに高めていく。個別契約単位での被害額の予測およびAIモデルの汎用性ついて検証し、AIモデルの精度や汎用性を高めることで、保険加入者への能動的な保険金請求の案内など、より迅速な保険金支払いの仕組みを検討していく考えだ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名東京海上日動火災保険
業種保険
地域東京都千代田区(本店)
課題台風などの自然災害による被害拡大が全国的に増え、事故の受付から保険金の支払いまでの期間を短縮し顧客ニーズに応えたい
解決の仕組み天候データを使い、強風が発生した際の被害レベルを予測し能動的な顧客対応ができるようにする
推進母体/体制東京海上日動火災保険、日本IBM、The Weather Company(TWC)
活用しているデータ東京海上日動が持つ過去の事故対応で集積したデータ、気象情報サービス会社The Weather Company(TWC)が提供する気象データなど
採用している製品/サービス/技術機械学習モデル
稼働時期2020年4月(発表時期)