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会津若松市、住民の健康不安の解消に向け遠隔医療相談アプリを検証

DIGITAL X 編集部
2020年6月12日

福島県会津若松市は、中山間地域の住民が抱える健康不安の解消に向けて、遠隔で医療相談を受けられるスマホアプリを活用する調査事業に取り組んでいる。調査期間は2020年4月1日から2021年3月末まで。医療相談アプリを提供するAGREEが2020年5月20日に発表した。

 福島県会津若松市が調査事業の対象にするのは、同市の湊地区と大戸地区に住む約1300の全世帯。高齢化が進む両地区は中山間地域に位置し、医療機関がある市の中心部まで車で30分かかる。自家用車を持たない住民はタクシーを利用するしかなく、健康に不安を抱えていても、すぐに受診することが難しい。

 調査事業では、スマートフォンを使って24時間365日、医師に遠隔で相談できるサービスを両地区の住民に無償で提供。適切な診療科の案内や、医療機関情報の提供、さらに受診が不要と思われる人には市販薬を提案することで、中山間地域の住民が抱いている健康不安の解消を期待する(図1)。

図1:会津若松市が住民の健康不安の解消に向けて実施する検証事業の概念

 湊地区には、テレビを活用した地域内情報発信システム「中山間地域生活支援システム」(みなとチャンネル)が導入されている。今回の調査事業では、同システムとの連携も検討する。高齢者世帯などスマホの利用が困難な層に、地域運営組織のスタッフがアプリの利用をサポートすることでデジタルデバイドを乗り越える仕組みの構築を試みる。

 会津若松市は現在、スマートシティの取り組みを推進している。同市企画制作部地域づくり課は、「ICTを活用した地域課題解決に向けた調査事業は、市の方向性と合致している。地域作り団体と連携し、高齢者世帯にも利用していただくことで中山間地域のコミュニティづくりにも貢献していきたい」とする。

 遠隔医療相談サービスには、AGREEが開発する「LEBER(リーバー)」を利用する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名福島県会津若松市
業種公共
地域福島県会津若松市の湊地区および大戸地区
課題病院への通院が困難な中山間地域の住民の健康不安を解消したい
解決の仕組み24時間365日医師に健康・医療相談ができるアプリを無償提供する
推進母体/体制福島県会津若松市、AGREE
活用しているデータLEBERに登録されている医師および医療機関の名称など
採用している製品/サービス/技術医療相談アプリ「LEBER」(AGREE製)
稼働時期2020年4月1日〜2021年3月末(調査事業期間)