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インド・プネ市のRuby Hall Clinic、新型コロナウイルス感染をAIで診断

DIGITAL X 編集部
2020年6月18日

インドのプネ市にある病院Ruby Hall Clinicは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の診断にAI(人工知能)を使った画像診断を使っている。システムを開発したNTTデータが2020年5月25日に発表した。

 Ruby Hall Clinicは、インド西部のプネ市にあって750床を保有する大規模病院で、250人以上の医師が在籍し、1カ月に1万件以上の画像診療を実施している。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に当たり、AI(人工知能)を使った画像診断支援システムを利用するためのPoC(Proof of Concept:概念検証)を始めている。

 COVID-19の感染検査では、X線やCT画像による肺炎の診断が補助的な手段として利用されている。そこで、COVID-19への感染が疑われる対象者のX線やCTによる医療画像をAIが解析し、異常の可能性がある個所を黄色や白の画像で強調するとともに、識別内容をテキストで別途出力することで、放射線科医による診断業務を支援する(図1)。

図1:新型コロナウイルス感染症の医療画像AI診断画面のサンプル

 加えて、医師の診断業務に関連するワークフロー全体をサポートし、患者リストにおけるアラートなどを発することで、COVID-19の罹患状況に対する医師の判断を統合的に支援するという(図2)。

図2:AI画像診断を含めた統合ワークフローとしてのサポート

 画像診断の支援システムは、NTTデータと、同社のインドにおけるパートナーであるベンチャー企業DeepTekとが開発した。肺の疾患を検知する画像診断のアルゴリズムをべースに、COVID-19に感染した患者の医療画像を用いてCOVID-19用のアルゴリズムを開発した。

 X線やCT画像など医療画像を用いて診断する放射線科医は世界的に不足している。その課題解決に向けてNTTデータは、AIを用いた画像診断支援技術を開発し、世界各地の病院で実証実験に取り組んできたという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名インドRuby Hall Clinic
業種医療・健康
地域インド・マハラシュトラ州プネ市
課題新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の診断にX線やCT画像が使われているが、診断を下す放射線科医が世界的に不足している
解決の仕組みAIを使って画像診断を支援する
推進母体/体制印Ruby Hall Clinic、印DeepTek、NTTデータ
活用しているデータX線やCTで撮影した医療画像
採用している製品/サービス/技術AIを搭載した画像診断アルゴリズ(NTTデータと印DeepTekが開発)
稼働時期2020年5月