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マイナビダイレクト、コンタクトセンターのコロナ対応でKPIの見直しとAIチャットボットを導入

指田 昌夫(フリーランス ライター)
2020年7月31日

Zoom連携で社内の知見をコンタクトセンターに集約

 マイナビダイレクトのコンタクトセンター機能を提供するジェネシスの日本法人であるジェネシス・ジャパンは現在、コロナ禍で利用が急増したビデオ会議システム「Zoom」との連携強化に取り組んでいる。Web会議の「Zoom Meeting」と、日本でもリリース予定の音声会議「Zoom Phone」の2つの機能をジェネシスクラウドとシームレスに連携する。

 ジェネシス・ジャパン代表取締役社長のポール・伊藤・リッチー氏は「両システムとの連携を表明するのはジェネシスが初。特にZoom Phoneは、従来のPBX(構内交換機)に代表される企業の電話を根本的に変えると確信している」と力を込める。

写真2:ジェネシス・ジャパン代表取締役社長のポール・伊藤・リッチー氏

 Zoomとの連携では、オペレーターは顧客との対応に、ジェネシスクラウドのインタフェースはそのままに、Zoomのビデオ映像あるいは内線電話で社内の他部署のスタッフと相談しながら、顧客の問い合わせに対応できるようになる。リアルタイムに的確な回答支援を受けられるため、顧客満足度の向上が期待できる。

 会見に登壇した、Zoom Video Communications Japanカントリーゼネラルマネージャーの佐賀 文宣 氏は、「アフターコロナになっても非接触型コミュニケーションへの移行は止まらない。リアルかオンラインかの二択でなく、常に非接触型でのコミュニケーションが可能な形でビジネスは進んでいくだろう」と話す。

写真3:Zoom Video Communications Japan(Zoom)カントリーゼネラルマネージャーの佐賀 文宣 氏

 その意味で、コンタクトセンターは今後、「ビデオコンタクトセンターが主流になるだろう」(佐賀氏)という見方を示す。「顧客は、さまざまデバイスを使って場所を移動しながらも一貫した体験を求めている。顧客が企業とビデオで会話するようになれば、その会社をより身近に感じられ、強いつながりが持てるようになる」(同)とする。

緊急支援策ではコンタクトセンターを48時間以内に構築

 なおジェネシスは、COVID-19の影響が深刻さを増した2020年4月以降、コンタクトセンター業務を支援する複数のプログラムを用意してきた。「ラピッドレスポンス」がその1つ。施設の閉鎖などでンタクトセンターを運用できなくなった企業に対し、音声専用のクラウドコンタクトセンターを48時間以内に構築し、60日間無償で提供した。

 同プログラムはグローバルに展開され、「2020年5月1日時点で120社、2万以上のエージェント(オペレーターに相当)が利用した。うち3社はGoogle Cloudのコロナ対策チャットボットを導入している」(リッチー氏)という。日本でも、あるNPO法人が問い合わせ対応のすべてを7営業日で在宅に切り替えた例がある。

 現在は第2弾として、「Ready レスポンス」プログラムを提供している。デジタルチャネルも利用できるコンタクトセンターを30日間、無償で提供するもので、eラーニングも用意する。アフターコロナにも、そのまま利用することを意識しているという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名マイナビダイレクト
業種サービス
地域札幌市(札幌センター)、東京都千代田区(東京センター)
課題新型コロナ対応でコンタクトセンターの3密を避けなければならないが、コンタクトセンターへの問い合わせ件数は通常より増えており、相反する課題を解決しなければならない
解決の仕組み在宅勤務のほか、KPI(重要業績評価指標)の見直しやAIチャットボットによりオペレーター業務の最適化を図る
推進母体/体制マイナビダイレクト、ジェネシス・ジャパン
活用しているデータコンタクトセンターで扱う顧客の声など
採用している製品/サービス/技術クラウド型コンタクトセンター「ジェネシス・クラウド」(米ジェネシス製)、AIチャットボット「バーチャルエージェント」(米Google Cloud Platform製)