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東京メトロ、ラッシュ時の分散乗車に向け隣駅にいる車両の混雑度の掲示を実証実験
東京地下鉄(東京メトロ)は、ラッシュ時に乗客の分散乗車をうながすことを目的に、車両ごとの混雑情報を駅のホームに設置した電光掲示板に表示する実証実験を実施している。混雑度はホームの画像を分析し判断する。2022年9月28日に発表した。
東京地下鉄(東京メトロ)が実施しているのは、通勤・通学時などラッシュ時に乗客の分散乗車をうながすための混雑度情報提供の実証実験(図1)。隣駅に到着した列車の混雑度を車両の別にホームに設置した電光掲示板に表示することで、乗客が空いた車両を利用するかどうかを検証する。同様の混雑度はスマートフォン用アプリケーション「東京メトロmy!アプリ」で配信しているが、ホームにも表示することの効果を確かめる。
実験は、ラッシュ時の混雑が厳しい東西線・早稲田駅の西船橋方面行きホームで、2022年9月28日から2023年3月末頃まで実施する。混雑状況を表示する電光掲示板は、ホームの5カ所に設置する。
混雑情報としては、隣駅の高田馬場駅に到着した列車を対象に、号車ごとに(1)座席に座れる程度、(2)ゆったり立てる程度、(3)肩が触れ合う程度、(4)かなり混み合っていますの4段階で表示する(図2)。
列車の混雑度は、撮影した物体の奥行きを判断できる「デプスカメラ」で撮影した車両内の画像をAI(人工知能)技術で分析し判断する。デプスカメラはホームに設置し、撮影した車内の画像はエッジサーバー上でテキストデータに変換した後にクラウドに送信する。デプスカメラを使って混雑情報をリアルタイムに生成するシステムを導入しているのは、鉄道事業者では東京メトロのみだという。
東京メトロでは検証結果を受けて、混雑状況を表示する電光掲示板の適切な表示場所や表示タイミングなどを検討する。号車ごとのリアルタイムな混雑状況に関するアンケートも予定している。
企業/組織名 | 東京地下鉄(東京メトロ) |
業種 | 交通 |
地域 | 東京都台東区(本社) |
課題 | 通勤・通学などラッシュ時の混雑を緩和したい |
解決の仕組み | 隣駅ホームのデプスカメラの画像から、車両ごとの混雑度合いをリアルタイムに測り、ホームに設置した電光掲示板で乗客が直接確認できるようにする |
推進母体/体制 | 東京メトロ |
活用しているデータ | ホームに設置したデプスカメラで撮影した車内の画像データ |
採用している製品/サービス/技術 | デプスカメラ |
稼働時期 | 2022年9月28日から2023年3月末頃まで(実証実験の実施時期) |