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神戸市水道局、給水工事の設計図面を申請前に自己点検できるAI検査アプリを工事事業者に提供
2025年8月8日
神戸市水道局は、給水装置の工事時に申請する設計図面の記載事項が基準を満たしているかどうかを工事事業者が事前に自己点検できるアプリケーションを開発し、事業者に提供する。AI(人工知能)技術により図面を判定することで、工事申請時の手戻りの削減と審査期間の短縮を図る。アプリを共同開発した富士通Japanが2025年7月23日に発表した。
神戸市水道局が開発した「セルフチェックAIアプリ」は、給水工事を請け負う指定工事事業者が申請時に必要な図面を提出前に自己点検するためのアプリケーション(図1)。申請ミスによる手戻りを削減し、審査にかかる時間を短縮するのが目的だ。2025年7月23日から市内の指定工事事業者約800社を対象に順次提供する。
セルフチェックAIアプリは、給水装置工事の申請図面が基準どおりかを画像認識技術により確認する。給水装置の種類を示す約30種類の記号や配水管の口径、管種、敷設年度などの文字情報を読み取って判定し、審査結果を図面上に色分けして一覧表示する(図2)。
これにより工事事業者は、申請前に記号の記載漏れなどの不備を確認・修正できる。神戸市水道局としては、書類提出後の差し戻し件数が削減でき、審査期間の短縮につながると期待する。神戸市水道局では、給水装置工事の申請のうち、簡易な工事申請が年間約6000件を占めるが、人手による審査が中心で、手戻りが業務をひっ迫していた。
セルフチェックAIアプリは、神戸市水道局が2024年7月から運用している「AI審査アプリ」をベースに富士通Japanと共同開発した。AI審査アプリは、申請された設計図が基準に適合しているかをチェックするなど、水道局職員による図面確認を支援するものだった。
企業/組織名 | 神戸市水道局 |
業種 | 公共 |
地域 | 神戸市中央区(総合庁舎) |
課題 | 給水装置工事の申請書類を水道局員が確認していると、書類の不備による差し戻しが発生し審査業務をひっ迫している |
解決の仕組み | 指定工事事業者が設計図面を申請前に自己点検できるようにし、申請図面の不備による手戻りを削減する |
推進母体/体制 | 神戸市水道局、富士通Japan |
活用しているデータ | 給水装置工事の設計図面に記載された図記号、配水管の口径、管種、敷設年度などの構成情報 |
採用している製品/サービス/技術 | 画像認識AI |
稼働時期 | 2025年7月23日(市内事業者への提供開始時期) |