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新菱冷熱工業、建設資材の調達から現場への配送までをBIMデータを軸に一元管理するシステムを導入

DIGITAL X 編集部
2025年11月7日

新菱冷熱工業は、施工現場への業務集中を解消するために設けた「門前倉庫」の運用において、建設資材の調達から現場への配送までをBIM(Building Information Modeling)データを軸に一元管理するシステムを導入している。施行状況に合わせて資材を現場に配送することで、現場での資材管理負荷を軽減する。システムを開発した佐川急便が2025年10月30日に発表した。

 新菱冷熱工業は、設計工程や施工管理などへのBIM(Building Information Modeling)データの活用を進めている。その一環として、建設現場で使用する資材について、各サプライヤーが現場に配送するのではなく、建設現場の近くに設ける資材専用倉庫「門前倉庫」を設け、現場の施工状況に合わせてユニット化して配送する仕組みを立ち上げている(図1)。現場での仮置きや仕分け作業を削減するのが目的だ。

図1:新菱冷熱工業は資材を一時保管する「門前倉庫」を設け必要に応じて配送することで現場の業務負荷を軽減している

 そのためのシステムとして資材管理システムを導入した。門前倉庫の管理者と現場の管理者とが資材の発注状況や倉庫・現場への入出荷、在庫など確認することで、施工状況に合わせて資材の動きを調整する。

 資材を一元管理するための統一ラベルを導入した。サプライヤーごとに異なる製品ラベルをスマートフォン用アプリケーションで読み取り、統一ラベルを貼付することで入荷・検品から現場への配送までを管理する。

 ラベルの読み取りにはエッジAI(人工知能)技術を使い、日本語や英数字、記号などデータ化し、設置場所や出荷予定日などを紐付けた統一ラベルとして発行する(写真1)。

写真1:サプライヤーごとに異なるラベルを読み取り、設置場所や出荷予定日などを紐付けた統一ラベルを発行する

 資材管理システムは、佐川急便と同社のシステム子会社であるSGシステムが提案し開発した。両者は今後、他の業種・業態でも利用できる汎用性の高いシステムに改良していくとしている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名新菱冷熱工業
業種製造
地域東京都新宿区(本社)
課題建設現場における資材の管理業務を軽減したい
解決の仕組み建設現場近くに資材専用倉庫を設置し、複数サプライヤーからの資材を一元管理し、現場の施工状況に合わせて必要な資材だけを配送する
推進母体/体制新菱冷熱工業、佐川急便、SGシステム
活用しているデータ資材の商品情報、設置場所や出荷予定日、施工状況など
採用している製品/サービス/技術資材管理システム(佐川急便とSGシステムが開発)
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