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  • 学校では学べないデジタル時代のデータ分析法

データ分析で失敗しないための5つのポイント【第12回】

入江 宏志(DACコンサルティング代表)
2018年8月27日

フェーズ4:モデル化

 情報から読み取れる規則性、因果関係、相関関係などをモデル化しアルゴリズム(Algorism)を考える。

フェーズ5:推論

 可視化・分類した分析結果は単なる事実なので、主観的に推論してナレッジ化するために真の解析(Analytics)を実行する。

フェーズ6:実践

 推論で得られた真実をビジネスに活かすために、明確なメッセージに変え、ビジネスモデル(Business Model)を構築する。単に分析を分析だけに終わらせないことが重要だ。

 ビジネスモデルの構築では、成果につながる以下のポイントを押さえる必要がある。

・誰に、どのような価値を提供するか【Who、What】
・そのために、どんな業務構造や取引先との関係が必要か【How、When、Why】
・どのような販売ルートと価格設定で、どれだけ収益を上げるか【Where、Which、How much】

逆問題における6つのフェーズ

 逆問題における分析の流れは図2のようになる。順問題とは真反対になる。

図2:逆問題における6つのフェーズの流れ

フェーズ1:経験値・肌感覚のデジタル化

 今までのビジネスモデル(Business Model)や、すでに今までの勘と経験と度
胸で分かっていることを可能な限りデジタル化する。

フェーズ2:可視化

 デジタル化した経験値を可視化していくことで解析(Analytics)の糸口にする。

フェーズ3:モデル化

 経験値を可視化する中で、アルゴリズム(Algorism)を見抜き数値化する。

フェーズ4:観察・検証

 数値化したものの正当性を得るために観察(Monitor)し、検証する。

フェーズ5:理解

 なぜ、このような結果になるのか、その原因を理解する。単なる原因だけで
なく、真の目的や意図(Design)をくみ取る。場合によってはデータに隠れている、データを作った人のたくらみや下心も読み取らねばならない。

フェーズ6:原因への対策

 浮き上がった原因への対策(Countermeasure)を施し、原因につながる事柄を整頓(Arrange)していく。両方のやり方を併せて実行し、順問題で得た解答を応用し、逆問題としてKKD(勘と経験と度胸)で知っている、ほかの内容を検証する必要もある。