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- 学校では学べないデジタル時代のデータ分析法
データ分析で失敗しないための5つのポイント【第12回】
前回、データ分析の“流れ”について説明した。実際の分析時に用いる考え方の基本が第8回で述べた「OODA(Observe、Orient、Decide、Act)」である。ただ実務では物足りないため、筆者は独自にOODAループを改良し、6つのフェーズからなる分析フレームワークを構築し利用している。今回は、その分析フレームワークの根幹である6つのフェーズの概要を紹介する。
データ分析時に利用するフレームワークとして第8回で「OODA(Observe、Orient、Decide、Act)、呼称はウーダ」を紹介した。誰もがご存じのフレームワークとして、昔ながらの「PDCA(Plan、Do、Check、Act)」があるが、PDCAは計画段階と実行段階のかい離が大きすぎる。目の回るような速さで進む現代の分析には、OODAのほうが適している。
実務経験からOODAループの6フェーズに拡張
OODAも、PDCA同様に、分析サイクルを何度も繰り返すため、循環の意味から、分析フレームワークとしては「OODAループ」とも呼ぶ。ただ筆者にとって、OODAループも実務的には物足りなかったため、独自に改良しロジカルシンキングに基づく分析フレームワークを構築し利用している。
この分析フレームワークは、筆者が5年間の実プロジェクトを通じて科学的手法として確立したものだ。顧客から依頼された領域の分析において、各フェーズで「何をやるべきか」を書き出した基本設計のようなものである。詳細はコンサルティング領域に入るので別の機会に譲るが、筆者独自のOODAループは、OODAの前に「整頓(Arrange)」と「理解(Understand)」を置いた次の6つのフェーズからなり、筆者は「AUOODA(アウーダ)」と呼んでいる。
(1)Arrangeフェーズ(整頓の段階)
(2)Understandフェーズ(理解の段階)
(3)Observeフェーズ(監視の段階)
(4)Orientフェーズ(情勢判断の段階)
(5)Decideフェーズ(意思決定の段階)
(6)Actフェーズ(行動の段階)
これら6つのフェーズそれぞれで細分化していけば、信頼性のあるデータ分析が実行できる。
順問題における6つのフェーズ
AUOODAの分析ループは、第11回で説明した順問題と逆問題のいずれにも適用できるよう工夫している。順問題と逆問題では、データ分析の6つのフェーズは真逆の流れになり、注意が必要だ。この違いを知ることが先決である。
順問題における分析の流れは図1の通りである。
フェーズ1:探索
試行錯誤で求めていく際に、データ群から原因となる事象を測定(Measure)しながら探索する。その過程で離れたデータ群をぶつけて共通点を探す。
フェーズ2:学習(理解)
データを十分に理解し、事象を学習して、場合により新しい列を作りながら設計(Design)し、情報にしていく。
フェーズ3:学習(観察)
理解した情報から規則性、あるいは、いつもとは違う“何か”を観測(Monitor)する。