- Column
- 成果を最大限に引き出すワークプレイスのあり方
人への投資効果を高めるために従業員体験を「Microsoft Viva」で支援する
「DIGITAL X DAY 2022〜働き方改革を実現する『 チームビルディング 』」より、日本マイクロソフトの加藤 友哉 氏
「従業員ニーズの充足階層(5Ps)」で従業員への投資効果を可視化
従業員への投資効果の可視化に向けては、その評価軸が必要になる。マイクロソフトでは、それを従業員体験の観点から、(1)Connection(交流)、(2)Insight(洞察)、(3)Purpose(目的)、(4)Growth(成長)の4軸に分類する(表1)。
軸 | 従業員が期待する体験 |
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Connection | リモートワークの経験から同僚ともっと交流したい |
Insight | 自身の成果を数値で見たい、フィードバックを受けたい |
Purpose | 上層部の考えを理解し、自身の仕事に紐づけるにはどうすべきかを理解したい |
Growth | スキリング、スキルを習得するために学習したい |
4つの軸を受けてマイクロソフトが取り組んでいることの1つに、従業員のニーズを充足するための「従業員ニーズの充足階層(5Ps)」がある(図2)。米本社のCHRO(Chief Human Resource Officer:最高人材責任者)であるキャスリーン・ホーガン氏が定めた。心理学者のアブラハム・マズローが提唱した「欲求5段階説」を踏襲している。
5Psとは、(1)PAY(給与)と(2)PERKS(福利厚生)の基礎的なニーズと、(3)PEOPLE(一緒に働く人々)、(4)PRIDE(誇り)、(5)PURPOSE(目的)のより上位にあるニーズを指し、自己実現につながるニーズを網羅的に充足するための指針になる。
「昨今は、5Psの、より上層のニーズが必要とされる。誰と一緒に働けるのか、会社に誇りを持てるのか、そのために企業がなぜ存在するのかに応える必要がある。これらニーズが満たされれば、従業員一人ひとりが内発的動機に駆られ、高いモチベーションで自発的に仕事に臨めるようになるとされる」と加藤氏は説明する。
従業員体験を包括的に支援するプラットフォーム「Microsoft Viva」を提供
そのマイクロソフトは、従業員のすべての活動を包括的に支援するためのEXP(Employee Experience Platform:従業員体験基盤)となる「Microsoft Viva」を開発・販売する。
Vivaが提供するアプリケーションの1つに「Microsoft Viva インサイト」がある。同社のコミュニケーションツールである「Teams」や「Outlook」などが持つデータを基に従業員の働き方を可視化する。管理者は、従業員との対話時間や勤務時間外に働いている時間の傾向などから、匿名性を担保したうえで「働き過ぎや燃え尽き症候群のリスクなどを把握し活動のフィードバックに活かせる」(加藤氏)という。
組織内の知識共有とエンゲージメントの強化を目的とした「Microsoft Viva エンゲージ」もある。企業向けSNS「Yammer」をベースにしたアプリケーションで、従業員同士のつながりや情報収集を支援する。「リモートワークで簡素になってしまった職場での拠りどころや居場所のような環境」(加藤氏)に位置付ける。
今後は、従業員満足度やウェルビーイングといった指標を定期的に計測する「Microsoft Viva Pulse」や、社内コミュニケーションを分析し改善を支援する「Microsoft Viva Amplify」といったアプリケーションの拡張も続けていくとしている。
「入社から退社までの従業員エクスペリエンスに対し、従業員が効率的、生産的、そして健康的に働けるよう支援する。種々の課題に寄り添える製品を今後も提供していきたい」と加藤氏は強調する。
DIGITAL X DAY 2022 Online Liveオンデマンド
日本マイクロソフト モダンワークビジネス本部 プロダクトマーケティングマネージャーの加藤 友哉 氏による講演「従業員エクスペリエンスプラットフォーム Microsoft Viva で実現する組織と従業員の持続的成長」