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活動データに基づく科学的根拠のある意思決定とアドバイスが重要に

「DIGITAL X DAY 2022〜働き方改革を実現する『チームビルディング』」より、チームスピリットの荻島 将平 氏

中村 仁美(ITジャーナリスト)
2023年2月8日

テレワークとリアルオフィスを組み合わせるハイブリッドワークでは、コミュニケーションの難易度が高まり円滑な意思疎通が難しくなる。勤怠管理や工数管理などのクラウドサービスを提供するチームスピリットの戦略企画室 マネージャー エバンジェリストの荻島 将平 氏が、2022年12月に開かれた「DIGITAL X DAY 2022〜働き方改革を実現する『チームビルディング』」(主催:DIGITAL X)に登壇し、チームビルディングに向けた勤怠などのデータ活用について説明した。

 「従業員エンゲージメントは無理に高めるものではなく、日々の働き方の中で生まれる結果でしかいない」−−。勤怠管理や工数管理などのサービスをSaaS(Software as a Service)として提供するチームスピリットでエバンジェリストを務める荻島 将平 氏は、こう話す。

写真1:チームスピリット TeamSpiritエバンジェリストの荻島 将平 氏

「良い会社」と思わない層の4割は1on1ミーティングを未実施

 日々の活動が重要な例として荻島氏は、サッカーや野球といったチームスポーツを挙げる。チームスポーツでは、たとえ優秀な選手がいても、その選手の力だけではチームとして成果を上げるのは難しい。それぞれの選手が大舞台で活躍できるよう優れた監督やコーチが置かれている。荻島氏は、「自分のことは意外と自分自身ではわからない。だからこそアドバイスをしてくれる存在が必要だ」と指摘する。

 チームスポーツにおける監督やコーチからのアドバイスをビジネスの世界では、どのように、いつ投げかければ良いのか。荻島氏は「1on1ミーティングがふさわしい」と提案する。

 1on1ミーティングは決して珍しいコミュケーションスタイルではない。だがチームスピリットが2022年7月20日に実施した『ビジネスパーソンのウェルビーイングに関する実態調査』によれば、「自社は良い会社だとは思わない」と考える回答者の約4割が、「1on1ミーティングはほとんど行われない」と回答していた。

 1on1ミーティングを実施しているにしても、コロナ禍でテレワークやハイブリッドワークといった働き方が広がるなかでは、オンラインの画面上でのやり取りが増えている。そこでは「伝えたいことが、なかなか伝わらないことが多い」(荻島氏)のも事実だ。

 一方で「自分にとっていい会社(ウェルビーイング=幸福感を感じている)と思っている」とした回答者の5割以上は1on1ミーティングにおいて「勤務状況のデータを使っている」とした。

 こうした調査結果から荻島氏は、「1on1ミーティングを雑談で終わらせてはならない。日々の活動データに基づいて会話をすることが大事であり、従業員エンゲージメントを高めるための改善につながる」と指摘する。

日常業務で入力するデータから従業員の活動を把握する

 日々の活動データに基づく1on1のコミュニケーションを支援するプラットフォームになるのが、チームスピリットが提供する「TeamSpirit」だ。勤怠管理や、工数管理、経費精算、電子稟議、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の機能を統合したクラウドサービスである。2022年末時点の顧客数は大企業や成長企業を中心に1600社39万人を超え、「グロース市場上場企業の4.4社に1社が利用している」(荻島氏)という。

 TeamSpiritの特徴として荻島氏は、従業員がデータを入力する「インプット機能」とデータを見やすくする「アウトプット機能」を挙げる。

 インプット機能について荻島氏は、「従業員管理やタレントマネジメント分野では、さまざまなツールが登場しており、デジタルトランスフォーメーション(DX)を目的に導入されている。だがDXの前段階である業務プロセスをデジタル化するデジタライゼーションに留まっている企業も多い。必要なデータがインプットされていないからだ」と指摘する。

 例えば、働き方の改善点を見出すために社内でサーベイを実施することがある。しかし、「多くの従業員は自身の業務で忙しく、業務やKPI(重要業績評価指標)とは直接関係のない入力作業を頼まれても、抵抗感が先に立ち積極的にはデータを入力しない」(荻島氏)のが実状だろう。

 そんなサーベイに変わるのがTeamSpiritに入力される日々の活動データだ。勤怠管理や工数管理、経費精算や電子稟議、SNSといった機能を統合しているのも、「従業員がデータを入力しやすい日常業務にこだわっている」(荻島氏)ためだ。

 TeamSpiritでは、データの入力負担を軽減するために、例えば勤務表機能を利用企業の意見を元に改善したり、勤怠の打刻をスマートフォンの画面上でアプリを開いてから2タップで完了できるようにしたりしている。「Outlook」のスケジュール機能と連携した工数の自動入力にも対応する。