- Column
- 生成AIがもたらすパラダイムシフト ~業務効率化から顧客体験向上まで~
クラウド、ローコード、生成AIの3技術の組み合わせが開発プロセスを一新する
「DIGITAL X DAY 2024」より、ROIT Microsoft事業部 代表取締役の柿崎 直紀 氏
- 提供:
- ROIT
ビジネス用途でも効率化や自動化、イノベーションの促進が可能に
柿崎氏は、システム開発以外への生成AI技術の活用を視野に入れているという。そこでの生成AIが提供できる価値として柿崎氏は次の3点を挙げる(図2)。
(1)効率化 :大量のデータ処理や単純作業の自動化
(2)自動化 :文書作成や報告書作成、マーケティングコンテンツの作成など、多様なビジネスプロセスへの対応
(3)イノベーションの促進 :製品デザインやアイデアの自動生成や、データ分析を通じたビジネスインサイトの発見など
実際、「ホームページの更新にChatGPTも併用したところ、通常20時間ほどかかる作業を2時間で完了できた。アイデア出しにも利用でき、全てを人の手で作成するよりも作業負荷は軽微なものだった」と柿崎氏は話す。
そのうえでROITは、生成AIの導入においては、次の3ステップの実施を推奨している。
ステップ1 :生成AIにより解決したい課題や達成したい目標を明確にする。具体的なビジネスニーズに基づき、生成AIが得意とする作業を念頭に、どの業務プロセスで生成AIが最も効果的に活用できるかを特定する
ステップ2 :リスクを最小限に抑えながら導入効果を即適するための、小規模なパイロットプロジェクトを実施する。技術的な課題や業務フローへの影響を評価し、改善点を明確化する
ステップ3 :パイロットプロジェクトの結果に基づく全社的な導入計画を策定する。システムの拡張性などを確認しつつ、必要なリソースと共に社員向けのトレーニングプログラムなども整備する
これら3つのステップを踏まえた生成AIの導入/コンサルティングサービスをROITは展開している(図3)。
ただ生成AI活用には留意すべきこともある。「技術的にハルシネーション(Hallucination:もっともらしい誤回答を返す“幻覚”現象)は避けられない。データのプライバシーとセキュリティへの対策も不可欠だ。加えて、生成AIをシステムと連携させるには、インフラに関する専門知識も欠かせない」と柿崎氏は指摘する。