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「Zendesk Suite」でヘルプデスク業務の負担を下げ従業員体験を向上させる意義と意味

Zendesk 社長の冨永 健 氏

2022年4月8日

 上述したように、問い合わせをベースにQA(問いと答え)を作成してFAQの内容の充実を図り、品質を向上させていくことは、FAQに対する社内の信頼度を高め、FAQを使ってセルフで問題を解決する従業員を増やすことにつながる。そうなれば、ヘルプデスクの業務負担が大きく減らせるばかりか、問い合わせに対する回答の待ちの時間も全体として短くなり、EX・ESの向上につながっていくことになる。

 加えて、Zendesk Suiteの場合、「Explore機能」を使いヘルプデスクの利用状況に関する情報を可視化することができる。そのため、FAQページを分析し、頻繁に使われるQAとそうでないものを分類したり、使われていないQAの内容を確認して改善したり、古いQAを削除したりといった品質確保のメンテナンスを容易に行うことができる。

 「Explore機能を使うことで『あるQAが良く読まれているにもかかわらず、同類の問い合わせが多い』といった分析も行えます。こうした分析によって、頻繁に読まれているQAであっても“A(答え)”の内容が分かりにくく、質問者の問題解決につながっていないといった一層深い分析が可能になります。結果として、実効性の高い品質改善が図れるようになるのです」(冨永氏)

 さらにZendesk Suiteには、AI(人工知能)による自動問い合わせ対応の機能も用意されている。この機能を使うことで、従業員からの問い合わせに対し、AIがFAQの中から適切な答えを探し当ててヘルプデスク担当者に伝え、回答のスピードアップを後押しするといった仕組みが構築できる。

問い合わせのエスカレーションも効率化

 従業員の問い合わせの中には、ヘルプデスク担当者だけでは答えるのが難しい複雑な質問もある。そのようなときには、問い合わせを有識者にエスカレーションする必要が生じるが、それも工数のかかる仕事だ。そのため、Zendesk SuiteにはメールやSlackなどを通じて有識者に問い合わせを効率的にエスカレーションする「サイドカンバセーション機能」が備えられている。

 「この機能を使うことで、問い合わせ対応画面の中でSlackやメールを開き、有識者に問い合わせをエスカレーションすることが簡単に行えます。また、サイドカンバセーション機能を利用して、Zendeskに登録されていないエージェントに対して、Slackやメールを使ったコミュニケーションができ、そのやりとりを時系列に一元管理できます。これによって、エスカレーションの属人化を防ぎ、過去にどんな対応をしたかの確認も効率化されます」(冨永氏)

ヘルプデスクのシステムを“ノーコード”で構築

 Zendesk Suiteには導入の敷居が低いという特徴もある。

 「Zendesk SuiteはIT担当者が不在のスタートアップ企業にも使っていただきたいと考えています。ですので、Zendesk Suiteを使い始めるのにITに関する専門知識はいりません。ヘルプデスクのシステムも、コーディングを一切行わずにマウスのクリックだけで立ち上げられます。また、Zendesk Suiteを導入したお客さまに向けて定期的にハンズオンのイベントを催しており、その場でお客さまからのご質問にお答えしています。さらに、当社のカスタマーサクセスチームが、より効果的なZendesk活用法を適宜提供するプランも用意しています」(冨永氏)

 Zendesk Suiteの場合、料金プランも社内ヘルプデスクを運営しやすいように設計されている。

 例えば、Zendesk Suiteではヘルプデスク担当者1人あたりに費用が発生するが、「ライトアクセスライセンス」を使うと、質問者への回答の送信はできないものの、チケット内容や回答履歴の閲覧が可能な“ライトアクセスユーザー”を無償で追加できる。これにより、従業員からの問い合わせにチームで対応するヘルプデスクを低コストで運営することが可能になる。

 以上に示した機能や導入の敷居の低さが評価され、Zendesk Suiteはさまざまな企業に導入・活用され、相応の効果をもたらしている。

 そうしたユーザー企業の1社がDeNAだ。およそ2000人の従業員を擁する同社では、Zendesk SuiteによってFAQの仕組みを洗練させ、社内ヘルプデスクへの問い合わせ件数を25%削減することに成功している。また、ゲーム制作やWebサイト運営を得意とするエイチーム社では、従来は部門ごとに分かれていた社内問い合わせの窓口をZendesk Suiteを使って一本化し、問い合わせへの対応状況の可視化や回答漏れの防止に役立てている。

 EX・ESの向上は、企業の競争力を維持・強化するうえでも重要な施策と言える。その実現に向けた方策としてZendesk Suiteを導入し、社内ヘルプデスクのサービス強化を図ってみてはいかがだろうか。

お問い合わせ先

株式会社Zendesk

住所:〒104-0031 東京都中央区京橋 2-2-1 京橋エドグラン

URL:https://www.zendesk.co.jp

お問い合わせ:support@zendesk.com