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伊丹市農業青年研究会、トマトの栽培をLoRaWAN対応環境センサーで数値化

DIGITAL X 編集部
2018年11月9日

兵庫県伊丹市の伊丹市農業青年研究会は、2018年4月から8月にかけて、トマトの栽培環境を環境センサーを使って数値化する実証実験を実施した。農作業時間の短縮でトマトの出荷を増やせ収益増につながったという。実験システムを提供した西菱電機が2018年9月26日に発表した。

 兵庫県伊丹市の伊丹市農業青年研究会が取り組んだのは、完熟トマト栽培における栽培環境の数値化。伊丹市内のビニールハウスに、気温や土壌温度などを計測する環境センサーを設置し、データを取得し、グラフの形で確認できるようにした(図1)。

図1:実証実験環境の構成

 結果、経験から判断していた水やりの回数を1週間当たり8時間削減できた。空いた時間をミニトマトの出荷・販売業務に振り当てることで収益を増やせたという。センサーデータにより、温度抑制のために土壌表面に敷くフィルム(マルチ)や消毒の効果を数値で確認できたため、必要な資材の量が明確になるなど、栽培作業の効率化にもつながったとしている。

 実験に向けては、青年研究会が伊丹市から受託した「農業情報技術(IoT)活用モデル事業委託業務」に基づき、2017年10月から2018年3月にかっけて環境センサーを活用した栽培環境の「見える化」を実証。その後に2018年4月から2018年8月までの4カ月間、伊丹市が注力するビニールハウスの完熟トマト栽培に適用し検証した。

 実証には、西菱電機が提供するIoTなどの実施基盤である「Seiryo Business Platform(SBP)」を使用した。環境センサーからゲートウェイへの通信には、LPWA(Low Power Wide Area)の規格の1つである「LoRaWAN」を採用した。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名伊丹市農業青年研究会
業種農林水産
地域兵庫県伊丹市
課題完熟トマトのハウス栽培における栽培環境を数値として把握したい
解決の仕組み環境センサーを設置し、気温や土壌温度などを計測しグラフ化する
推進母体/体制伊丹市農業青年研究会、伊丹市、西菱電機
活用しているデータ環境センサーで取得した気温や土壌温度など
採用している製品/サービス/技術「Seiryo Business Platform(SBP)」、LoRaWAN対応の環境センサーなど(いずれも西菱電機製)
稼働時期2018年4月〜2018年8月(環境センサーの仕組みの検証は2017年10月〜2018年3月に実施)