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LINEがDX時代に求める社内システムのあるべき姿、開発パートナーのNSSOLはどう応えたか

LINEの片野 秀人 執行役員と日鉄ソリューションズの担当者の鼎談〔PR〕

2019年11月26日

想いが強いだけに抽象度の高い依頼内容に

當田 修之 氏(以下、當田)  NSSOLのソリューション企画・コンサルティングセンターでグループリーダーを務める當田 修之です。私は、企業が実現したいことをシステムに落とし込んでいく上流工程のコンサルタントとして、複数の企業を担当しています。

写真2:NSSOLのソリューション企画・コンサルティングセンターの當田 修之グループリーダー

 ただ2017年5月に片野さんが描かれているシステム像を初めて聞いた時は正直、面食らってしまいました。目指すところは何となくは分かるのですが、実に抽象度の高い“ふわっ”とした依頼だったからです。

 何とか期待に応えられるよう、片野さんが発する言葉の裏の思いまでを汲み取ることに注力しました。目指すべき姿をより正確に見極めるために打ち合わせの最中は、それこそ片野さんの顔をのぞき込み、その表情から感情を読み取ろうとしたほどです。どこに力点があるのかを判断するためです。

 そうして、「なぜ(Why)」「何を(What)」といったことを固めていき、当社としての考えを伝え、次の議論につなげるというキャッチボールを何度も繰り返しました。当社もいくつかのコンサルティングメニューを持っていますが、これほど型にはまらない提案をしたのは、実のところ今回が初めてです。

片野  私の頭の中では、かなり整理はできていたんですが(笑)。

 先にもお話ししたように、社内システムの最終目標は「これからの成長のためにはサービス開発の生産性をより高められるよう、エンジニアが生き生きと働ける環境が必要であり、彼らが必要とする情報を最適な形で提供できること」です。そのためには、経営陣から、事業部、部門、さらには個人のレベルでも、それぞれが必要とする情報が、必要な形で提供できなければなりません。

 確かに“ふわっと”した話かもしれませんが、當田さんとの対話の中では、私が気にしている細かな点を含め、実現したいことをできる限り伝えようとしたことが“ふわっと”した印象を強めたのかもしれません。情報伝達が不足すると後から當田さんに突っ込まれることが分かってきたからです。

 こうしたアイデアのキャッチボールを通じて、対応の柔軟さや提案レベルの高さを体感できました。これがNSSOLを選んだ一番の理由です。型から外れた仕事でも対応してくれそうだという期待がありました。

エンジニアが抱く“不条理”をパートナーにも味わわせない

――開発現場ではどうだったのでしょうか。SNSなどの個人向けサービス開発では、大規模な社内システム開発とは異なり、アジャイル開発などが浸透しています。

秋葉 尊 氏(以下、秋葉)  NSSOL産業ソリューション事業部グループリーダーの秋葉 尊です。私は2017年7月から、開発のPM(プロジェクトマネジャー)としてLINEの社内システム刷新プロジェクトに参加しています。

写真3:NSSOL産業ソリューション事業部の秋葉 尊 第8グループリーダー

 私の本プロジェクトの第一印象は、片野さんの依頼には十分に対応できるだろうというものです。社内システム領域においてもアジャイル開発で取り組んだ経験が何度もあったからです。

 ただ、自社だけでなくパートナー企業を含めて「エンジニアの幸せのために」という片野さんの熱量には驚かされると同時に、大変に共感しました。

片野  それは、私自身がSIer 出身だからでしょう。エンジニアには誰しも、自身が目指す技術者としての理想像があります。ところがSIerのエンジニアとしては、それを実現しにくい面があるのは事実です。そのことをSIer時代の私は「不条理だ」と感じていました。

 現在の私は発注側に“たまたま”座っているだけです。身内であれ社外であれ、エンジニアの誰にも「理想像を目指せない」といった想いを味わってほしくありません。だからこそ、エンジニアにとって“あるべき環境”作りに力を入れているのです。そうした環境があれば、多少は忙しくても過ごしやすいはずで、エンジニアとしてのモチベーションを高く保ってもらえると考えています。

秋葉  開発フェーズにおいて、我々からの提案も前向きに受け入れられるのは、エンジニアとしてはありがたい環境です。挑戦する意欲さえあれば、自身がスキルアップできる機会が得られるからです。

片野  確かに秋葉さん以外の開発メンバーからも少なからず提案がありますね。SIの現場にいるエンジニアの多くはアイデアを持っていても、一般には躊躇(ちゅうちょ)してしまい、意見を言わない人も多いのです。

 何かを提案できる人は、それなりのスキルを持っています。開発メンバーの人選に我々は要求を特には出していませんが、そうした人材をNSSOLさんが選んでくれているのでしょう。