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ディノス・セシール、デジタル時代にアナログメディアを重視した顧客接点戦略で差別化
デジタルプリンタで紙のDMをパーソナライズ
アナログメディア活用の具体例が、パーソナライズされた情報が欲しいタイミングで届くDM(葉書)だ。2つのパターンがある。1つは、ECサイトでカートに入れたが購入に至らなかった「カート放棄のシナリオ」に基づいて送信する即時性の高いDMだ。通常の商業印刷では対応できなかったパーソナライズの工程を、CRMシステムのデータをもとにデジタルプリンタでDMを作成することで、カート落ちから最短24時間後には見込み客宅のポストにDMが届けくようにした。
もう1つは、既存顧客に着こなしを提案する小冊子型のDMである。表紙に購入済みの服を表示し、インスタグラム内で許可が取れている画像の中から、その服に似ている服を着ている人のコーディネートをAIが抽出。さらにディノスが取り扱う商品からもAIが同様のアイテムを抽出し、冊子に組み込んで追加購入を提案する。
AIは、テレビショッピングの電話を受けるコールセンターでも導入を進めている。こういったデジタルテクノロジーとの接し方について石川氏は、「あくまでリアルのタッチポイントを強化するために使う」という考え方を強調する。
社内の昔のアセットは、それが本来の価値である
ディノス・セシールのマーケティング活動について石川氏は、「コンバートの取り合いという螺旋から抜け出したい。当社のコミュニティやマーケットにおいて、興味がなかった人にも『欲しい』と思ってもらえるようにし、その瞬間に買ってもらえる環境をどう作るかに取り組んでいる」と語る。そのためには、「ECだけでも、カタログや電話だけでもダメ。我々が持っているアセットを全部組み合わせて、まだ誰も実現してない仕組みを作りたい」(同)とする。
そこでは「社内に“昔のアセット”といわれるものがあれば、それが本来の価値だ。むやみにデジタルに置き換えてもハッピーにはならない。デジタルは、アセットを強化するソリューションに位置付けたほうが今のテクノロジーベースで考えると正しい。その目線でデジタルトランスフォーメーション(DX)を考えれば、また違った戦略が見えてくるはずだ」(石川氏)という。ディノス・セシールの“次の一手”は、どのようなものなのだろうか。
企業/組織名 | ディノス・セシール |
業種 | 流通・小売り |
地域 | 東京都中野区 |
課題 | Amazonをはじめとする大手寡占状態のなかで、ECビジネスにおける競争点がECサイト上から、その直前に移ってきている |
解決の仕組み | デジタルマーケティングに紙のDMやテレビ番組などを組み合わせ、顧客の購買意欲を適切なタイミングで高める |
推進母体/体制 | ディノス・セシール |
活用しているデータ | 顧客の購買情報、ECサイトの離脱情報など |
採用している製品/サービス/技術 | デジタルプリンタ、AIなど |
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