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コニカミノルタ、5G装備の大阪拠点で画像IoTプラットフォームの開発を強化

野々下 裕子(ITジャーナリスト)
2020年12月11日

ハイブリッド5G環境と共創スペースを配置

 FORXAIの開発拠点となるOSAKA Centerの特長は、(1)次世代ハイブリッド5Gを備えた開発環境の整備と(2)共創スペース「オープンラボ」の開設だ。

 5Gを備えた開発環境は、NECが提供するローカル5Gと、KDDIが手掛けるキャリア5Gのハイブリッド環境とし、オフィスや工場、屋内外の連携などを想定した実証実験が施設内でできる。

 オープンラボは、新しいオフィスの働き方に合わせたデジタルなワークプレイス。OSAKA Center内の多くのエリアがオープンラボとして利用でき、さまざまな業界のパートナー企業や大学、スタートアップとの連携を期待する。

 OSAKA Centerの建物は、2019年9月に着工し、竹中工務店がデザインを含めた施工を手掛けた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響から、開設には慎重論もあったが当初の予定どおり進行させた。

 Center内を紹介すると、1階は展示エリア。コニカミノルタの歴史と未来、画像IoTの活用事例などを紹介することで同社のコア技術を認知してもらうためのショールームの機能を持っている(写真5)。

写真5:1Fのショールームエリア

 2階と3階は執務と開発のためのエリア。見通しのよいオープンな空間に、デスクや会議室といったオフィス機能が設けられ、それぞれがセキュリティ管理されている(写真6)。社内外の“偶然の出会い”からイノベーションが生まれることを期待し、コラボレーションスペースとしても活用できるよう空間の自由度が高められている。

写真6:2Fのオフィスエリア

 4階にはイベントスペースやカフェテリアがある。自然を取り入れ、SDGs(地蔵可能な開発目標)を意識したスマートウェルネスな環境を実現しているという。

 OSAKA Centerに勤める従業員数は約400人。うち画像IoT/AIに関連する人数は非公開だが、コニカミノルタとしては同分野に関連する人材を2023年度までに1000人に拡大するとしている。梅田と高槻の2つの拠点を西日本エリアの重要拠点に位置付け、ソリューションエンジニアを全国各地で増強し、グローバル展開も進める。

人の行動解析などの新領域への拡大を期待

 山名氏は、「デジタルデバイスや測定器のすべてでAIが使われるようになっている。中でも画像AIは、ビジネスになりやすいと考えている」と話す。例えば、パートナー企業であるNECがドイツのMOBOTIXと共同開発する「AI解析体表温度測定ソリューション」は、マスクをしていても顔検出ができソーシャルディスタンスの維持にも使える。

 「画像IoT/AI技術によってできることを増やし、ビジネスモデルを開発したい。中でも人の行動解析はコニカミノルタにとって新しい取り組みだ。工場などの施設をはじめ、スポーツ分野や通行量調査など対象領域は広い。事業開発に向けては、産官学を問わず、さまざまなパートナーと連携したい」と述べる(写真7)。

写真7:複数のストリーミング映像をAI技術で並列処理することによる行動解析などに取り組む。

 画像解析技術は、カメラやソフトウェアの進化で応用範囲が拡がっている。だが一方で、データの扱い方やプライバシーに関する課題もある。そうした課題を含め、FORXAIが技術面からどう解決し、新しいサービスを共創によって生み出すための“場”になっていくのか。コニカミノルタの取り組みに注目したい。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名コニカミノルタ
業種製造
地域大阪府高槻市(Innovation Garden OSAKA Center)
課題カメラ、オフィス機器に続く新たな事業領域を確立したい
解決の仕組み大阪府高槻市と大阪・梅田に置く研究開発拠点に、5G環境や共創スペースを確保し、画像IoTのためのプラットフォームを開発を強化し、パートナー企業との共創によって事業開発を図る
推進母体/体制コニカミノルタ
活用しているデータ各種画像データ
採用している製品/サービス/技術各種画像認識技術(自社開発)、キャリア5G/ローカル5Gなど
稼働時期2020年11月6日(Innovation Garden OSAKA Centerの開設日)