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スーパーのキヌヤ、惣菜の販売計画立案にAIサービス導入し粗利向上へ
スーパーのキヌヤは、惣菜の販売計画の立案にAI(人工知能)サービスを導入した。惣菜販売の属人化を避け、売り上げの安定を図り粗利を高めるのが目的だ。AIサービスを提供する日鉄ソリューションズ(NSSOL)が2024年12月17日に発表した。
キヌヤは、島根県を中心に山口、広島に20店舗以上を持つスーパーマーケット。このほど、成長分野である惣菜部門をより強化するために、販売計画を立案するAI(人工知能)サービスを導入した。売り上げの安定を図り粗利を高める。計画立案の属人化を避け、1人の担当者が複数店舗を管理できる運営を目指す。
AIサービスでは、POS(販売時点情報管理)データや売上予算、商品や販促・チラシのデータ、天気予報データなどから来店客数や需要を予測し、売り上げと粗利とを高められる販売計画を立案する(図1)。計画に沿った発注データも作成するという。
導入に先立ち2024年8月から導入効果を検証してきた。食品を店内で加工・包装している大型店と小型店、店内加工しない3つのタイプの店舗のそれぞれにおいて、購買客数や販売数を高精度で予測し、十分に荒利が高まったことからAIサービスの導入を決めた。
AIサービスには、日鉄ソリューションズ(NSSOL)が提供する惣菜販売に特化したSaaS(Software as a Service)である「Delifit AI」を採用した。導入に際して現場からは「AI技術を使った発注に不安や疑問があった」が、NSSOLの支援を受け不安も解消できたとする。
Delifit AIをNSSOLは2024年11月30日から提供をはじめている。今後は、惣菜部門に加え、日配部門や生鮮部門などへのサービス拡大を予定する。
NSSOLによれば、共働き家庭の増加やコロナ禍などにより惣菜市場が拡大している。スーパーなどが惣菜部門を強化しているが、惣菜は賞味・消費期限が短く、ニーズに合った最適量の販売計画と原材料発注が重要になる。天候などの影響も大きく属人化が起きやすい。加えて最近は原材料コストが上昇し、収益を確保できる計画立案が、より難しくなっている。
企業/組織名 | キヌヤ |
業種 | 小売業 |
地域 | 島根県益田市(本社) |
課題 | 市場が拡大している惣菜事業において、天候等に左右される需要変動に合わせて、売上高と粗利とを高められる販売計画を立案したい |
解決の仕組み | 需要を予測し売上高と粗利とを高められる販売計画をAI技術で立案する |
推進母体/体制 | キヌヤ、日鉄ソリューションズ |
活用しているデータ | POSデータ、売上予算、商品データ、販促データ、天気予報データなど |
採用している製品/サービス/技術 | 惣菜部門特化の販売計画サポートサービス「Delifit AI」(NSSOL製) |
稼働時期 | 2024年8月(実店舗での導入検証時期) |