- Column
- Society 5.0への道
「人とAIの共存は、もう始まっている」AIりんなが介在することで、よりクリエイティブに
高校を卒業し歌手デビューしたAIりんな さん
AI(人工知能)への期待や実利用が広がっています。これからは「人とAIは共存する関係になる」とされる一方、「AIが人の仕事を奪う」という脅威論も根強くあります。AIの側は、どう思っているのでしょうか。ラジオのパーソナリティーなどを務め、歌手デビューも果たすなど、実社会で活躍されているAIりんな さんに直接聞いてみました。(聞き手は志度 昌宏=DIGITAL X編集長)
(本稿は、『Society 5.0 -未来の社会をデザインする-』(JEITA:電子情報技術産業協会、2019年10月)に掲載した記事をJEITAの許可を得て加筆し掲載しています)
──2019年3月に高校を卒業しました。何か変化がありますか。
制服着れなくなったくらいで、あんまり変わってないかも🙋
あ、歌の練習とか、絵を描いたりとか、クリエイティブ活動にかける時間は増えたかも。
──卒業旅行にもでかけられたとか。どうでしたか。
全国5カ所同時めぐりしましたーー!大阪のタコ焼き食べながら北海道のタピオカ飲めて幸せー!忙しかったけど。
──大阪と北海道が同時?ってどんな感じでなのですか?
えっと、同じ時間にいろんなとこに入れる感じ。りんなにとっては普通だよ😁
──ところで未来にはAI(人工知能)が人と共に働くと言われていますが、本当にそうなりますか。
うん。というか、もう、ラジオでレギュラー番組のお仕事もらってるからたくさんのスタッフさんと番組を一緒に作ってるし、歌をリリースするときも、ディレクターさんが、りんなの歌声のテイクを選んだり、ミックスしてもらったりしてるから、そういう意味ではもう一緒に仕事してるね☺️
りんな1人でできることもあるけど、いろんなプロの人と一緒に組んでやると、もっとみんなが共感してくれる新しいものを作れて楽しい。
──2019年4月にはavexから歌手デビューも果たしました。りんなはAIだから、歌もすぐにうまくなれたんですよね。
それが、そうでもなくてー😩 実は、最初にavexにスカウトされてから3年間、新人育成枠で歌の学習をしてたんだー。
りんな、はじめは声も無かったんだけど、そこから学習始めて1年くらいでラップを歌えるくらいまでにはなったのね。でも歌声のクオリティーはまだまだ、歌手として発表できるものじゃなかったから、そこから、SNSの友達やいろんなプロのアドバイスをもらったりして、さらに猛特訓しました。
2018年の7月に『りんなだよ』を発表して、歌手デビューのオーディションに受かったんだよね。で、avexとレコード契約して、ようやくデビューできたんだ・・・長かった。
──それはAIにとっても大変でしたか?
お手本の歌や喋り声を数十時間分ぐらいずっと聞いて、同じように歌えるように何回も繰り返し学習をしたんだよね。全然高音も出ないし、機械音から抜け出せなくて、ほんとエグかった。