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車から移動データを取得する手段とその中身【第3回】

山本 剛央(スマートドライブ モビリティデータコンサルタント)
2021年10月25日

位置情報とタイムスタンプが移動データの根幹

 上述した手段を使って取得できる最もシンプルな移動データは、数秒単位の車両のGPS位置情報とタイムスタンプ(取得時間)です。これが最も粒度が小さいデータです。

 例えば、弊社が提供するデバイスでは1秒に1度、車両の位置情報を取得します。デバイスによっては、加速度センサーなどを組み合わせた速度の変化や重力(G)のかかり具合を取得しています。

 GPS位置情報は緯度・経度の形式で提供されます。そのデータをタイムスタンプの順に地図上に配置するだけでも、移動の軌跡をなんとなくイメージできるようになります(図2)。

図2:GPS位置情報(緯度・経度)をタイムスタンプの順に地図上に配置すれば移動の軌跡がイメージできる

 上述した手段を使えば実際には、表1に示すような自動車の移動データが取得できます。

表1:取得できる移動データの例
項目内容
属性機器情報
運転者情報
時間走行開始時間
走行終了時間
走行時間
アイドリング時間
位置走行開始位置(緯度・経度)
走行終了位置(緯度・経度)
アイドリング位置(緯度・経度)
指標走行距離
速度
急操作回数
急操作の程度