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顧客中心主義、顧客ロイヤルティとコスト最適化を両立できるセルフサービスの姿

SEO、FAQ、チャットなどのデジタルツール組み合わせで顧客体験価値を高めるトランスコスモスのDECサービス

2021年11月5日

セルフサービス化を推進する多彩なソリューション

 DECサービスでは、FAQのSEO対策サービス以外に、複数のサービスを用意している。独自開発したチャットボット「DEC Support」が、その1つだ(図4)。

図4:チャットボットソリューション「DEC Support」

 DEC Supportは、シナリオ型、NLP(自然言語処理)型、FAQ型など複数タイプを組み合わせられるチャットボット。用途に合わせて最適なシステムを構築できるほか、ボットだけで問題が解決できなかった時は有人チャットにシームレスに連携する。

 CRM(顧客関係管理)システムや予約システムなどが持つデータベースとの連携を図れば、特定セグメントに宛てたメッセージ送信などデジタルマーケティングへの活用も容易になる。

 ボイスボットと呼ばれる「音声AIサービス」もある。コンタクトセンターのPBX(構内交換機)と連携し、AI(人工知能)技術によって顧客の真意を図りながら電話応対ができる。

 例えば「テレビで放送された〇〇商品を2つ購入したい」といった注文の電話に対して、「かしこまりました。では、ご登録の電話番号をお知らせ下さい」といった応答を返す。夜間や休日の電話受付に音声AIサービスを利用すれば、企業はビジネスチャンスを逃さなくてすむ。

 一般にボイスボットは導入コストが高額なケースが多い。だがトランスコスモスの音声AIサービスでは、導入コストを抑えながら、有人オペレーターへの引き継ぎといった機能なども利用できる。光田氏は、「ケースにもよるが数十万円もあればAI音声による対応サービスが構築できます。当社実績では、有人オペレーションに比べ、コール単価を約50%まで削減した事例も生まれています」と胸を張る(図5)。

図5:トランスコスモスの「音声AI」の4つの強み。BPOベンダーだからこその「運用・改善・成功」にこだわったサービスを提供する

 他にも、コンタクトセンターにかかってきた電話を音声認識によりテキストデータ化する「transpeech」も提供する(図6)。文字起こしだけでなく、音声からうかがえる感情を可視化し潜在的なニーズや不満をフォローしたり、対話のサマリーを出力し後処理を効率化したりといった機能を持つ。この機能が発達したことにより、VOCの活用が再注目されており、トランスコスモスは力をいれている。

図6:音声をテキストデータに変換する「transpeech」

 DECサービスの1つひとつを単独に見れば、同様の機能を提供する製品/サービスはある。だが、それらを単体で導入するだけでは、本来の課題解決にはつながらない。これらを組み合わせ、自社の顧客が抱える、つまずきや困りごとに対する対応策として最適化を図ることが重要であり、それを可能としているのがDECサービスの特徴だ。

 岩浅氏は、「問い合わせをしてきた顧客の属性と、その内容をしっかりと理解し、最適な方法でフォローするための実務オペレーションに落とし込んでいかなければなりません」と説く。

 DECサービスが目指すのは、冒頭で示したとおり、「カスタマージャーニーに基づいて、すべての部門が連携して情報を共有し、一貫したサービスの提供によって顧客体験を高めていくこと」であり、その先にDXの実現を見据える。

 そこでのトランスコスモスの強みを岩浅氏は、「長年にわたるコンタクトセンタープロバイダーとしてのノウハウと、ツールベンダーではない独立系インテグレーターの立場から最適なソリューションを組み合わせて提供できること、そして、クライアント企業と一体になりオペレーショナルエクセレンス(OPEX:業務オペレーションが競争上の優位性にまで到達する状態)を生み出していく姿勢です」と語る。

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