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  • 顧客接点を支えるAIコンタクトセンターの基礎知識

顧客中心主義、顧客ロイヤルティとコスト最適化を両立できるセルフサービスの姿

SEO、FAQ、チャットなどのデジタルツール組み合わせで顧客体験価値を高めるトランスコスモスのDECサービス

2021年11月5日

スマートフォンを接点にコミュニケーションのデジタル化は加速する一方だ。そうしたなか、顧客エンゲージメントをより高めるために求められているのが、顧客には最大限の選択肢を提供しながらも、そのための業務負荷やコスト負担を削減できる対顧客サービスのあり方である。その問いかけにトランスコスモスが提案するのが、顧客自身が問題解決を図るセルフサービスの充実を図ることで顧客満足度を高める各種サービスの投入だ。

 スマートフォンの利用は若年層だけでなく“高齢”とされる年代にも広がっている。利用者側も代替わりが進み、スマホは特別なデバイスではなくなってきた。同時に、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)やメッセージングアプリの利用率も高まり、チャットボットの利用体験も伸びている。顧客接点の多様化が進む一方で、コロナ禍でのEC(電子商取引)需要の高まりや非接触・非対面接客の広がりを背景に、コンタクトセンターへの期待も変化している。

 コンタクトセンターの構築あるいは運営代行をはじめ、数々のアウトソーシングサービス(BPOサービス)を提供するのがトランスコスモスだ。1966年の創業以来、クライアント企業の事業パートナーとして、売上拡大とコスト最適化を総合的かつグローバルに支援する。

カスタマージャーニーに基づいて一貫したサービスを提供すべき

 そのトランスコスモスが、ここ数年注力しているのが「DECサービス」である。DECとは「Digital Marketing」「ECワンストップサービス」「Contact Centerサービス」の頭文字を集めたもの。これらのサービスを統合し一気通貫で提供することで、多様化する顧客接点における境界をなくしCX(Customer Experience:顧客体験)の向上を支援する。

 2021年6月に、デジタルトランスフォーメーションを総合的に支援するサービスとして「トランスコスモスDX」を発表した。顧客ロイヤルティとコスト最適化の両立を図りながら、デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するもので、すべての顧客接点へのアプローチを可能にした(図1)。

図1:トランスコスモスのサービス概念。「トランスコスモスDX」では複数チャネルを統合し顧客ロイヤルティとコスト最適化の両立を図る。参照:https://www.trans-cosmos.co.jp/company/news/210604_0002.html

 トランスコスモスDX 投入の狙いについて、同社 DEC統括 デジタルカスタマーコミュニケーション総括 デジタル推進統括部 統括部長の岩浅 佑一 氏は、次のように語る。

 「多くの企業では、同じ“顧客対応”であっても、コンタクトセンターとデジタルマーケティングの部門が分断されている状況にあります。コンタクトセンターはコストセンターに位置付けられ『できるだけ顧客対応を合理化・削減しよう』となる一方で、デジタルマーケティング部門はプロフィットセンターとして『顧客接点を増やすべく予算を注ぎ込んででもプロモーションを増やす』など、対極的な動きが散見されます。
 これでは顧客に、より良い一貫した体験の提供はできません。カスタマージャーニーに基づき、すべての部門が連携し、情報を共有しながら一貫したサービスを提供していくべきです。そうした当社の考え方を体現したのがDECサービスであり、トランスコスモスDXです」

写真1:トランスコスモス DEC統括 デジタルカスタマーコミュニケーション総括 デジタル推進統括部 統括部長 岩浅 佑一 氏