- Column
- 顧客接点を支えるAIコンタクトセンターの基礎知識
顧客中心主義、顧客ロイヤルティとコスト最適化を両立できるセルフサービスの姿
SEO、FAQ、チャットなどのデジタルツール組み合わせで顧客体験価値を高めるトランスコスモスのDECサービス
スマートフォンを接点にコミュニケーションのデジタル化は加速する一方だ。そうしたなか、顧客エンゲージメントをより高めるために求められているのが、顧客には最大限の選択肢を提供しながらも、そのための業務負荷やコスト負担を削減できる対顧客サービスのあり方である。その問いかけにトランスコスモスが提案するのが、顧客自身が問題解決を図るセルフサービスの充実を図ることで顧客満足度を高める各種サービスの投入だ。
スマートフォンの利用は若年層だけでなく“高齢”とされる年代にも広がっている。利用者側も代替わりが進み、スマホは特別なデバイスではなくなってきた。同時に、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)やメッセージングアプリの利用率も高まり、チャットボットの利用体験も伸びている。顧客接点の多様化が進む一方で、コロナ禍でのEC(電子商取引)需要の高まりや非接触・非対面接客の広がりを背景に、コンタクトセンターへの期待も変化している。
コンタクトセンターの構築あるいは運営代行をはじめ、数々のアウトソーシングサービス(BPOサービス)を提供するのがトランスコスモスだ。1966年の創業以来、クライアント企業の事業パートナーとして、売上拡大とコスト最適化を総合的かつグローバルに支援する。
カスタマージャーニーに基づいて一貫したサービスを提供すべき
そのトランスコスモスが、ここ数年注力しているのが「DECサービス」である。DECとは「Digital Marketing」「ECワンストップサービス」「Contact Centerサービス」の頭文字を集めたもの。これらのサービスを統合し一気通貫で提供することで、多様化する顧客接点における境界をなくしCX(Customer Experience:顧客体験)の向上を支援する。
2021年6月に、デジタルトランスフォーメーションを総合的に支援するサービスとして「トランスコスモスDX」を発表した。顧客ロイヤルティとコスト最適化の両立を図りながら、デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するもので、すべての顧客接点へのアプローチを可能にした(図1)。
トランスコスモスDX 投入の狙いについて、同社 DEC統括 デジタルカスタマーコミュニケーション総括 デジタル推進統括部 統括部長の岩浅 佑一 氏は、次のように語る。
「多くの企業では、同じ“顧客対応”であっても、コンタクトセンターとデジタルマーケティングの部門が分断されている状況にあります。コンタクトセンターはコストセンターに位置付けられ『できるだけ顧客対応を合理化・削減しよう』となる一方で、デジタルマーケティング部門はプロフィットセンターとして『顧客接点を増やすべく予算を注ぎ込んででもプロモーションを増やす』など、対極的な動きが散見されます。
これでは顧客に、より良い一貫した体験の提供はできません。カスタマージャーニーに基づき、すべての部門が連携し、情報を共有しながら一貫したサービスを提供していくべきです。そうした当社の考え方を体現したのがDECサービスであり、トランスコスモスDXです」