- Column
- 成果を最大限に引き出すワークプレイスのあり方
「Dynamic Work」掲げる米Okta、“オフィス中心”から“人中心”へシフト
「DIGITAL X DAY 2022〜働き方改革を実現する『チームビルディング』」より、Okta Japanの高橋 卓也 氏
リモートワークとリアルなオフィスワークを組み合わせるハイブリッド化を採り入れる企業が増えている。ID管理を手がける米Oktaは「Dynamic Work」というフレームワークを掲げ、生産性と社員の満足度向上に向けて社員一人ひとりに適した業務環境の提供を進めている。同社日本法人のシニアソリューションマーケティングマネージャの高橋 卓也 氏が、2022年12月に開かれた「DIGITAL X DAY 2022〜働き方改革を実現する『チームビルディング』」(主催:DIGITAL X)に登壇し、Dynamic Workや、それに沿ったオフィスのあるべき姿を解説した。
「働き手の一人ひとりに適した業務環境を提供することが、従業員の生産性と満足度の向上に効果があることが確認できている」−−ID管理を手掛ける米Oktaの日本法人で、シニアソリューションマーケティングマネージャを務める高橋 卓也 氏は、当社が2019年から提唱している働き方のフレームワーク「Dynamic Work」について、こう評価する。
従業員が“働きやすい場所から働ける”ようにする
Dynamic Workは、新しい働き方に向けた基本的な考え方や必要な環境などを定めたもの。その中核には「業務体験をパーソナライズすること」(高橋氏)がある。「柔軟な勤務スケジュールと、それを支えるテクノロジーを提供することで、従業員が“働きやすい場所から働ける”ようにする」(同)のが目的である。
コロナ禍になりOktaは2020年から、Dynamic Workに沿った働き方に世界各地の拠点で本格的に取り組んできた。日本法人のOkta Japanは、その直後の2020年8月から日本での事業を開始しており、当初はリモートワークを前提とした働き方にならざるを得なかった。
2022年になりオフィスを東京渋谷の「渋谷ヒカリエ」に移転。Dynamic Workに沿った考え方を採り入れ、「従業員が最も合理的な環境で働けるように、場所の選択肢や働く時間の柔軟性を維持しながら、社員間のコラボレーションを促進する働き方」(高橋氏)を展開し始めた。その取り組みは2022年11月、Great Place to Work Institute Japanが実施する「働きがいのある会社」にも認定されている。
OktaがDynamic Workという働き方を目指した背景について高橋氏は、「変化と課題」というポイントを挙げる。具体的には、都市と地方の物価などの格差、世代交代、テクノジ−の変化などだ(図1)。
都市と地方の格差では、グローバルでも国内でも、「両社の価格差が大きくなっている。都市部では家賃も物価も高いにも関わらず、それに追随して給与が上昇しておらず働きづらい現状がある」(高橋氏)。狭い住居でリモートワークに強制的に移行せざるを得ない状況にあっては「広い住居を求め郊外に分散移住する人も現れている」(同)
世代交代では、今後の労働力の大半を占めていくミレニアル世代やX世代、Z世代を考慮し、「未来の働き方を模索する必要がある」と高橋氏は指摘する。すでにクラウドやスマートフォンといった新しいテクノロジーの進化や活用により、「働き方も変わってきている」(同)のが実状だ。