- Column
- データ活用を最優先するITモダナイゼーションの新常識
メインフレームシステムのビジネス価値を高めるにはデータアクセスと運用コストの削減が不可欠
- 提供:
- ソフトウェア・エー・ジー
DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが進む中、改めて、その重要性が高まっているのがメインフレームが管理するデータへのアクセスである。基幹業務で発生するデータを新しいプロセスでも利用し業務効率を高め、データ分析に基づく意思決定を下す必要性が高まっているからだ。同時にメインフレームの運用コスト削減もDX推進には不可欠だと考えられている。しかし、メインフレームの適切なモダナイゼーションパスの選択は容易ではなく「脱メインフレーム」のプロジェクトが失敗に終わるケースも少なくない。そうしたメインフレームが内包する課題を解決しDX時代のデータ活用を可能にするために、独Software AGの日本法人であるソフトウェア・エー・ジーが用意するのが「CONNX」と「Jopaz」の2製品だ。同社のキーパーソンに両製品の位置付けやメリットを聞いた。
「DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みにおいては、企業システムに蓄積されていくデータを日々有効活用することが本流になってきています。しかし、メインフレーム上のデータベースは一般に、何十年間も使われ続けている独自性の強いもので、データがシステム内に閉じたサイロ化状態にあり、必要なデータをリアルタイムに取り出し有効活用を図るのが難しいという問題があります」-。独Software AGの日本法人であるソフトウェア・エー・ジーのシニアソリューションアーキテクトである千葉 和也 氏は、こう指摘する(写真1)。
それに続けて同社社長の小原 洋 氏は「データ活用を阻むサイロ化の課題に加え、基幹業務を支えるメインフレームなどは、保守・運用コストが非常に高いという大きな問題を抱えています。データへのアクセスを開放し有効活用しながら保守・運用コストを下げることが最新のモダナイゼーションの考え方です」と強調する。
メインフレームを維持しながら課題の解決にフォーカス
従来、上述したような問題を解決するためには、レガシーシステムをオープン系システムに移行させる必要があると指摘されてきた。例えば、COBOL言語で開発されたメインフレーム用のアプリケーションをJava言語で書き換え、動作環境をオープンシステムやクラウド環境に切り替える。
しかし、このアプローチには乗り越えるべき課題が多いとして、千葉氏は次のように説明する。
「メインフレーム上のCOBOLアプリケーションの多くは、長年にわたる運用を通じて大規模化・複雑化しています。その全てをJavaで正しく書き換えるだけでなく、その動作を検証するには多大な工数とコストが掛かります。しかも、汎用サーバーなどを使ってメインフレームと同等の可用性やセキュリティを担保するのは簡単ではありません。クラウド環境を使っても24時間365日の可用性は保証されません。レガシーデータベースから現代のSQLデータベースへの移行においても、ビジネスプロセスとデータの整合性を中断するリスクは相当に高いといえます。メインフレームシステムをオープン化する試みは、多大な工期とコストをかけても失敗するリスクが高いのです」
こうした失敗を回避するためにメインフレームを使い続けようとする企業は多い。その判断に対して小原氏は「メインフレームユーザーにとってモダナイゼーションは、基幹システムのビジネス価値を高める手段の1つに過ぎません。そこに多額の資金をつぎ込み、失敗すれば回収のしようのない大きな損失を抱え込むリスクを避けることは、ある意味、当然の判断です。そこで必要になるのが“脱メインフレーム”のリスクを背負わずに、レガシーシステムのデータの活用を可能にする仕組みです」と提案する。
