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ポストコロナに向けた中堅・中小企業のデジタル活用、日本マイクロソフトがサポートを強化

指田 昌夫(フリーランス ライター)
2020年6月12日

グループウェア統一しテレワークを推進する山口FG

 新型コロナの発生以前から、日本マイクロソフトのサポートを受けながらデジタル化を進めてきた企業の1社が山口フィナンシャルグループ(FG)だ。

 山口FFGは傘下に、山口銀行(山口県)、北九州銀行(福岡県)、もみじ銀行(広島県)の3つの地銀を持つ。本部や他の金融事業を含む総従業員は約5000人の金融グループ。山口FG IT統括部の來島 友治 氏は、「3つの銀行は、それぞれ異なるグループウェアを使用しており、会社組織を横断した情報共有が課題になっていた」と明かす(写真2)。

写真2:山口フィナンシャルグループ IT統括部の來島 友治 氏

 そこでデジタル活用の第1歩として、バラバラのビジネス環境の統一から始めた。全社共通のグループウェアとしてマイクロソフトの「Office 365」を導入し、2019年1月に運用を開始した。

 並行して、2019年8月からは、本部業務で使用していた約1200種類にもおよぶ紙帳票のペーパーレス化にも着手し、2020年3月に完了した。2020年4月時点で、本部が複合機で印刷している紙の枚数は、前年同月比で70%、枚数で96万枚を削減できている。

 こうした取り組みの最中に、COVID-19が拡大し、山口FGでもテレワークの対応に迫られた。2020年2月下旬からテレワークの検討を開始し、まず本部社員の約700人から移行することを決めた。しかし、テレワーク可能なPCは約100台しか準備できなかったため、営業担当者に配布予定だった「Microsoft Surface」約600台を急きょ、社員のテレワーク用PCに変更し対応した(図3)。

図3:山口FGのデジタル活用の取り組み

 遠隔ミーティングには、それまでテレビ会議システムを使っていたが、テレワークの推進をきっかけに、「Microsoft Teams」によるWeb会議に移行した。Teamsの使い方を学ぶマニュアル作りや講習会を開くなどで導入を加速した。窓口担当の社員など出勤が不要な社員はテレワークへ移行している。

 テレワークに移行して約3カ月が経過し、課題も出てきている。1つはネットワーク回線の逼迫だ。「社員が日を追うごとにテレワークに慣れたことでWeb会議が増加している。特に朝と夕方の回線が混み合ってきている」(來島氏)という。

 現在は、社内ポータルで注意喚起するほか、通信経路を営業系と、Office 365やWeb会議の業務系統とに分離するなどの対策を打っている。來島氏は「将来的には回線の増強も必要だと感じている」と話す。

 今回、構築したテレワーク環境は緊急処置的なため今後は、Surfaceを本来の営業用途に戻しながら、テレワーク用ノートPCの手配と携帯Wi-Fiルーターの整備を進める。さらに大規模なテレワークへの対応を実現するため、BYOD(Bring Your Own Device)や仮想デスクトップの検討も開始した。

 來島氏は、「新型コロナの感染が収束に向かったとしても顧客訪問が難しい状況が続く可能性が高い。非対面/非接触の接客や営業の仕組みをどう実現するかを検討している」と話す。