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ポストコロナに向けた中堅・中小企業のデジタル活用、日本マイクロソフトがサポートを強化

指田 昌夫(フリーランス ライター)
2020年6月12日

コロナ禍にあって、デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みは中堅・中小企業にとっても急務だ。そのため日本マイクロソフトは、中堅・中小企業向けた支援策を常に見直しているという。同社の協力を得る山口フィナンシャルグループと、遠隔操作ロボット開発のTelexistenceが、日本マイクロソフトが2020年5月27日に開いたオンライン説明会に登壇し、ポストコロナに向けた取り組みを説明した。

 働き方改革は、これまでも経営課題の1つだった。だが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生により、オフィスや現場などリアルな環境での働き方の見直しは不可避になっている。

コロナ対応のデジタル活用は3段階で進む

 そうしたなかで日本マイクロソフトは、「新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年3月以降、中堅・中小の顧客企業へのヒアリングを毎週実施してきた」(同社執行役員 コーポレートソリューション事業本部 事業本部長の三上 智子 氏)という(写真1)。

写真1:日本マイクロソフト 執行役員 コーポレートソリューション事業本部 事業本部長の三上 智子 氏

 同社の調査によれば、2020年4月7日の緊急事態宣言以後、新型コロナ対策としてのリモートワークへの取り組みが、中堅・中小企業においても急速に進んできた(図1)。

図1:中堅・中小企業のリモートワークの実施状況(日本マイクロソフト調べ)

 さらに三上氏は、「ヒアリング内容の分析から、各社が3つの段階を踏みながらデジタル化を推進していることが分かった」とする。(1)緊急対応:リモートワークへの移行、(2)沈静化:事業回復への対応、(3)新常態:ニューノーマルへの対応だ(図2)。

図2:日本マイクロソフトが分析した中堅・中小企業のデジタル変革の3つのステップ

 第1段階は、国の緊急事態宣言を受けての初期対応。オンライン会議やコラボレーションの設定、社外から社内システムへの安全なアクセスを確保する対応などが含まれる。そこでは、ツールや、社内制度、運用の問題など、さまざまな課題が出てくる。

 第2段階は、緊急対応で付け焼き刃的にはじめたテレワークを安定させ、事業を回復軌道に乗せる段階である。紙ベースの業務プロセスのデジタル化や、セキュリティの強化、リモートを組み入れたビジネス全体のコスト削減などが課題になってくる。

 第3段階は、コロナ以前の状態には戻らないことを想定した新たなビジネス環境、すなわちニューノーマル(新常態)の元で成長するための事業戦略の立案、組織改革への着手である。

 これら3つの段階に合わせ、日本マイクロソフトは「企業支援のメニューをタイムリーに拡充させていく」(三上氏)とする。

 具体的には、コミュニケーションツールのTeams、仮想デスクトップの「Windows Virtual Desktop(WVD)」などの無償トライアルを継続。2020年6月1日からは「中小企業のテレワーク応援プロジェクト」として、ハードメーカー5社と協業し、モバイルPCとTeamsの組み合わせた商品などの提供を開始している。

 並行して、社会課題解決型スタートアップを支援するプログラム「THE CONNECT」も推進する。2020年内にスタートアップ企業100社を登録し、大手企業とのビジネスマッチングを図っていく。これまでに47社が参加している。