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視覚系ウェアラブルデバイスは“普通”のメガネ型が主流に、生成AIとの組み合わせも始まる
没入感と操作性の向上で利用が増えるVRとXR
ARの表示だけでなく、操作もできるXR(eXtended Reality)は、米Microsoftの「Horolens」の撤退で後退すると思われていたが、コンテンツ制作会社が増え、オンライン教育や作業マニュアル、シミュレーター、商品デモなど、さまざまなシーンでの活用が広がっている。
リモートワークが定着したことでバーチャル協業ツールとしても再注目されている。SONYは独シーメンスとともに、エンタープライズ向け新型のXR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)をリリースした(写真2)。
コンテンツの運用に必要なハイスペックマシンや高速大容量の通信技術は、米NVIDIAや米クァルコムが開発に力を入れている。そうした技術は、高精細度で臨場感ある空間を描画できるVR(Virtual Reality:仮想現実)HMDにも使われている。
クァルコムのブースで体験できたVRによるフォーミュラーマシンのガレージツアーは、まるで本物の施設にいるような没入感で、筆者がいつも悩まされるVR酔いもほとんど感じられなかった。VRはF1ドライバーのシミュレーターなどに既に活用されているが、リアリティが格段に高まっていることから、将来的には空飛ぶクルマのライセンス取得など実用的な用途にも使われるようになるかもしれない。
機能的にはHMDより劣るが、XRを使えるスマートグラスも登場している。米モトローラは自社ブースに中国レノボの「Think Reality A3」を展示していた。同製品のリリースは2022年だが、コンテンツの開発ツールや制作会社が増えてきたこれから、ニーズが本格的に拡がるだろうとしている。ARグラスで世界シェアトップの中国XREALもAR表示されたコンテンツをハンドジェスチャーで操作できるXRグラス「Air 2 Ultra」を発表したところだ。
シャープも独自にXRグラスを開発しており、ブースではプロトタイプを使って使用感をヒアリングしていた(写真3)。他にも、異なるタイプのスマートグラスや、視線追跡に使用できる超小型カメラ、高速で視力調整ができるポリマーレンズカメラなどのパーツも出展した。
そのシャープは2024年2月、NTTコノキューとのジョイントベンチャーであるNTTコノキューデバイスからXRグラスのプロトタイプを発表しており、年内半ばに発売する予定である。