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視覚系ウェアラブルデバイスは“普通”のメガネ型が主流に、生成AIとの組み合わせも始まる

野々下 裕子(NOISIA:テックジャーナリスト)
2024年3月4日

どこでも使える拡張ディスプレイとしての用途が定着

 スマートグラスやHMDは、スマホやPCを接続し、その画面を拡大表示する拡張ディスプレイとしてのニーズが高まっている。映画やゲームを、どこでも大型画面で楽しめるよう、大型・高精細・多機能な製品が登場している。装着しやすいサングラスタイプが人気で、XREALの体験エリアには連日、大行列ができていた。

 バーチャル空間で複数の仮想ディスプレイを使用できる製品も登場している。例えばノートPCの「Spacetop」は、XREALの「Nreal Light」を使うことでディスプレイをなくすという思い切ったデザインを採用した(写真4)。

写真4:ディスプレイの代わりにスマートグラスを使うノートPCも登場

 米Nimo Planetは、米Appleの「Apple Vision Pro」同様に、空間コンピューティングを手のひらサイズの「Nimo 1 Core」で実現するためのスマートグラス「Nimo 1 Glasses」を展示していた。価格はVision Proの4分の1だ。残念ながら実際には体験できなかったため、サイトのデモにあるような機能が実現できているかは不明だった。

ディスプレイレスのないメガネ型デバイスも人気

 表示機能を競う一方で、実はディスプレイ表示機能がない製品も少なくない。例えば米Metaの「Ray-Ban Meta」は、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)への投稿だけに用途を振り切っている(写真5)。ディスプレイ機能がなくても、見たままをそのまま素早くアップでき、サングラスとしても使いやすくしたことで人気を集めている。日本では未発売なこともあり、現地で購入したという知り合いも多かった。

写真5:米Metaの「Ray-Ban Meta」はディスプレイ機能をなくしカメラと通話機能だけを搭載する

 米Amazon.comの「Echo Frames」は、音声アシスタントの「Alexa」を使うスマートスピーカーをメガネ型にしたスマートグラスだ(写真6)。ディスプレイ表示機能はないが高品質のオーディオ機能を搭載し、ワイヤレスイヤホン代わりにも使える。

写真6:米Amazon.comの「Echo Frames」。騒がしい会場内でも音声はクリアでアレクサも問題なく使えた

 メガネ型ウェアラブルデバイスは、今回紹介した以外にも、デジタルヘルスやアクセシビリティといった分野で、さまざまな製品が登場している。次回は、それらとメガネ型以外のウェアラブルデバイスについて紹介する。