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【大阪・関西万博】日仏が協力し地域性や強みを活かしたスタートアップ連携を支援
「フレンチテック&イノベーションDAY」より
リファービッシュや倉庫自動化などに日仏連携実績も
パネルの後、日本との協業などに取り組むフランスのスタートアップが紹介された。
仏Back Market
「リファービッシュ」と呼ばれる中古のスマートフォンや家電の整備済製品を扱うマーケットプレイスを運営するユニコーン企業だ。日本では伊藤忠グループのBelongと協業し、リファービッシュ市場の拡大に取り組んでいる。
Back Marketはフランスで2014年11月に起業し「サステナブルで環境に優しい事業・活動を続けていくこと」をミッションに掲げる。掲現在は世界17カ国でビジネスを展開する。東京オフィスには700人の従業員がおり、BelongとはWeb完結型の買取サービスなどで連携している。
仏EXOTEC
物流倉庫用ロボティクスシステムを開発するスタートアップである。日本では2016年からIHIと協業を始め、2019年にはユニクロがパートナーに加わり同社倉庫の自動化に取り組んだ。
IHIとの協業では「日本進出にあたり、技術面での理解の深さに加え、規制や商慣習の違いを知っているIHIとの連携が成功につながった。現在は日本市場向けに製品をカスタマイズして販売している」(EXOTEC)という(写真3)。
仏METRON
2013年にパリで起業したクリーンテック企業である。日本には2022年から進出している。省エネおよびエネルギー管理を最適化するサービス「EMOS」とコンサルサービスを提供し、米TIME誌が選ぶ「世界のトップグリーンテック企業2025」にも選出されている。
フランスに進出する日本のスタートアップも登場している。へラルボニーが、その1社。主に知的障がいがあるアーティストとライセンス契約を結び、アートをデータ化したライセンスビジネスを展開する(写真4)。
へラルボニーは、「ルイ・ヴィトン」や「クリスチャン・ディオール」などの部ブランドを持つ仏LVMHが設立した「LVMH Innovation Award 2024」に挑戦し、日本企業として初めてのファイナリスト18社に選出。最終的に「Employee Experience, Diversity & Inclusion賞」を受賞し「StationF」を拠点に1年間、事業を展開する。現地法人化も目指す。
代表取締役の松田 崇弥 氏は「障がいに対するイメージを変えるには世界に出るしかないと考え、ようやくチケットを手にしたところだ。市場の理解やチームづくりなど苦労もあるが、やり甲斐を感じている」と話す。
日仏の連携では今後、AI(人工知能)分野での取り組みも検討されているという。フランスには関連スタートアップ企業が1000社以上あり、資金調達を含めた支援策を民間セクターのプレーヤーとも連携しながら日仏共同で取り組む考えだ。他にもフードテックやアグリテックなど両国が得意とする分野は複数あるだけに、協業の機会はさらに増えそうだ。